2016年10月30日日曜日

日光市民病院での近況

日光市民病院での近況

ススメ専攻医の富田です。
日光市民病院に来て4カ月が経ち、病院や地域にようやく馴染めてきた気がします。今回は日光市民病院と周りの環境に関してお話させて頂こうと思います。

日光市民病院は日光東照宮のすぐ近くにある病院です。一般病棟、療養病棟、介護施設が一体になっておりそれぞれ51床、45床、50床となっています。そのため病院の中で急性期が落ち着けば療養病棟や施設へ移ったり、移った後もそのまま継続してみていくこともできるため退院後のマネジメントも比較的にスムーズにできます。医師は内科医7人、整形外科医1人で非常勤で外科や眼科、耳鼻科、小児科の先生が来られています。専門科が少ないので基本的には総合診療といった感じでいろいろな疾患、患者さんの診療を行っています。人数は少ないですが、逆に気軽に相談はしやすく、それでいて超音波・内視鏡検査では指導を受け研修できるので、とてもいい環境だと感じています。経鼻内視鏡を使っているもことも今後、診療所で働いていくことを考えている自分にとっては良かった点だと思います。

日光での生活に関してですが、車が必須な環境で田舎ではあると思いますが、車さえあれば20分圏内にはたいていの生活に必要なお店があります。宇都宮には車で1時間ほどはかかりますが、慣れればあまり気にならないと思います。日光と言えば、秋の紅葉が有名で、まさに今の時期はたくさんの観光客が訪れてとても混雑しています。今年は雨が多かったためか、例年程はあまりきれいではなかったようですが、それでも自分にとっては十分にきれいな紅葉を見ることができました。観光地には付き物ですが、日光にもたくさんの温泉があり、仕事終わりに行けるのも良いとこだと思います。
今回は日光市民病院と周りの環境に関してお話させて頂きました。居心地よい環境の中で研修できるので、ぜひ今後の研修先として日光を検討して頂ければと思います。

病院裏の駐車場からの眺め


病院近くの裏見の滝

明知平からの中禅寺湖
日光湯元の湯滝
日光湯元の湯ノ湖


2016年10月4日火曜日

東京都神津島!

みなさん、こんにちは。神津島からS2児玉です。
支援で1週間だけ勤務して来ました。島特有の医療を経験してきましたので、皆さんに共有したいと思います。
神津島は伊豆諸島の人口1800人が暮らす島で、東京都に所蔵しています。以前はフェリーしかなかったのですが、今は調布空港からプロペラ機が3往復していて、45分で到着するので意外と東京と近いなという印象です。
高齢化率は27%と、思ったより小児や若い方も多いです。島にある医療機関は診療所のみで、医師2人が勤務しています。
入院は一応可能なのですが、夜勤看護師が入院と外来を同時にこなすのが困難な上、食事も家族持ちになるため、入院のハードルはかなり高いです。また、島のほとんどの方が在宅でのお看取りを希望されるという文化的背景もあります。実際に酸素が必要な肺炎の方に在宅酸素を貸し出して自宅で訪問診療をしたり、複雑型熱性けいれんのお子さんを自宅経過観察にしたりした例があり、フォローアップの仕方に柔軟性が求められました。
緊急の患者さんは、天候がよければ東京からドクターヘリを要請して、3時間くらい待つことになります。昨年は年間で20回弱のドクヘリ要請があったそうです。そんな中、僕がいた1週間で3件のドクヘリ要請があったことは非常にまれだそうで、最後に看護師さんから「先生がたくさん患者さんを呼んでくれたからよい刺激になりました。ありがとうございました。」というわけの分からないコメントをいただきました。(笑)
救急車は村役場の職員が代行しているため、ほとんどの患者さんは自力でやってこられます。一つの集落に密集して住んでいて、車で3、4分圏内に集中しています。そんなわけで意外にも初期対応がスムーズにできることが多く、搬送患者の1人は窒息の心肺停止の高齢者が呼吸再開した例もありました。超急性期の脳梗塞や心筋梗塞に診療所内でのt-PAのプロトコールと作っていたりと、かなりアグレッシブな医療をされていました。
患者さんの多くは定期受診と小児を中心とした気道感染でしたが、2歳の複雑型熱性けいれん、高校生の脊椎分離症、皮下膿瘍の切開排膿、どろどろの陥入爪など、小児やマイナーも含めた幅広い知識が必要な上、ごくまれに3次救急がやってくるというスリリングな環境でした。


ススメの先輩で「どんな環境にでも適応できてこそ家庭医だ!」と言われていた方の気持ちを少し体験できた1週間でした。




 漁港


 ご褒美の入れ食いでした。1時間半でムロアジ11匹!!

 診療所
夕日の美しさは格別です





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