2017年4月30日日曜日

明日から5月


プログラム責任者の井上です。

ゴールデンウィークの真っ只中、湯沢はようやく桜が満開です。
湯沢中央公園の桜です。

 サイトビジットは、久しぶりに地域医療振興協会外の施設である、亀田総合病院に行ってきました。
 今、後期研修医の井上先生が緩和ケア科でお世話になっています。有名な病院ですが、私は伺うのは初めてだったので、どんな病院だろうと楽しみでした。行ってみて驚きました。大きい!綺麗!院内も色々と見せていただき、なるほど!と思うことがたくさんありました。部長の関根先生をはじめ、スタッフの蔵本先生、江川先生(お二人は初期研修はJADECOMです)、みなさんすごくいい雰囲気でした。きっと学ぶことの多い研修になっていることと思います。

 今月は春ミーティング(旧オリエンテーション)があり、6人の新しい専攻医が仲間になりました。そのうちにこのブログで普段の研修のことなど書いてもらおうと思っています。

 4月はなんだかあっという間に終わった感じがします。明日から5月。プライマリ・ケア連合学会高松大会があります。色々な人に会ってお話ができるのが楽しみです。


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2017年4月18日火曜日

行動変容 transtheoretical model

台東病院研修中の専攻医3年目小林です。


4月から台東病院にお世話になっているんですが、研修医が増えたのもあり月~木で昼レクチャーが始まりました。
月曜日が論文レビュー、火曜日が教科書輪読、水曜日が症例検討、木曜日が各々担当レクチャーという感じです。
第1回の担当レクチャーを担当し、行動変容をテーマにしたのでファイルを共有しようと思ったのですが、パワーポイントはこちらにアップできないようです。
要点を抜き出して以下に載せます。


【Transtheoretical Modelって何?】
ProchaskaとDiClementeによって提唱
300以上の様々な心理療法や行動変化理論を統合して作成 trans=汎、theoretical=理論的
4つの要素から成る (変容ステージ、変容のプロセス、意思のバランス、自己効力感)

【変容ステージ】
行動変容の段階を行動に対する準備性(レディネス)の観点から6つに分類し説明したもの
1.前熟考ステージ:6か月以内に行動を変えようとする意志なし
2.熟考ステージ:6か月以内に行動を変えようとする意志あり
3.準備ステージ:1か月以内に行動を変えようとする意志あり
4.実行ステージ:行動変容を実行してから6か月以内
5.維持ステージ:行動変容を実行してから6か月~5年くらいまで
6.ターミナルステージ:どんなストレス下でも以前の不健康行動はしない。行動変容を変化させて最低5年ほど継続。到達するのは20%未満。
*再発=あるステージから1つ以上前のステージに逆行すること

【変容のプロセス】
ヒトが行動変容を起こす際の流れ、手順
一般的に前期ステージ間(前熟考-熟考-準備)の移行に関しては経験的プロセス
後期ステージ間(準備-実行-維持)の移行については行動的プロセスを用いることがより効果的

経験的プロセス:自身の経験により内面的な認識が変化
①意識の高揚:行動に関して情報収集 例 喫煙のMIリスクを知る
②感情的経験:行動による結果を知り陰性感情を体験。例→愛煙家の知人がMIで死亡
③自己再評価:行動変容による自分の利得。セルフイメージの再構築。 例 臭いと言われなくなる
④環境再評価:行動変容による周囲の利得。例→子どもの喘息が落ち着く
⑤社会的解放:社会的環境の変化。例→喫煙スペースが減る、ポイ捨てに罰金など

行動的プロセス:周りの環境から得る行動変化
⑥反対条件付け:代替行動。例→タバコ代わりの飴やコーヒー
⑦援助関係:他者のサポート。医療者、家族など
⑧強化マネジメント:報酬>罰則。例→禁煙分だけ貯金
⑨自己解放:周囲に意思表明。例→新年の誓い、宣誓書
⑩刺激コントロール:環境を整える。例→灰皿を捨てる、禁煙ポスター、運動選手のポスター

声かけ例
①たばこがどれくらい体に悪いか知ってますか
②周りの方でタバコ吸ってて重たい病気になった人いますか
③煙草をやめるとごはんがおいしく感じられます
④子どもの喘息が落ち着く
⑤最近喫煙スペースが減ってきてますよね
⑥たばこ代わりにストレス解消になるものはありますか
⑦禁煙したくなったらいつでもサポートします
⑧たばこを1日ガマンしたら500円貯金する
⑨周りの方に禁煙することを宣言してみたらいかがですか
⑩たばこや灰皿を家から捨てましょう


【意思のバランス】≒重要度?
問題行動のプロズ(長所)とコンズ(短所)

重要度が50の場合:
0じゃないのはなぜ?→長所が聞ける 例:たばこをやめると飯が上手い
100じゃないのは?→短所が聞ける 例:周りが吸ってると居心地悪い


【自己効力感:セルフエフィカシー】≒自信度?
特定の状況下での行動遂行に対する自信感(見込み感)
自信 vs 誘惑

自信が0じゃないのはなぜ?→自信 例 以前にも禁煙歴ある
100じゃないのは?→誘惑 例 友人に誘われると・・・


参考文献:
1)Prochaska JO, DiClemente CC .Transtheoretical therapy: Toward a more integrative model of change. Psychotherapy: Theory, Research & Practice, Vol 19(3), 1982, 276-288.
2)Prochaska JO, VelicerWF. The transtheoretical model of health behavior change. Am J Health Promot. 1997 Sep-Oct;12(1):38-48.
4)Publish Company, Inc, NY, 2002 日本語翻訳 竹中晃二 監訳 高齢者の運動と行動変容 トランスセオレティカル・モデルを用いた介入. Book House HD,Ltd.,Tokyo




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新しい季節、そして新しい役割

 研修延長中の大平です。
 昨年10月から引き続き、東京北医療センター 総合診療科にて勤務しています。

 今年度も多数の方達が仲間に加わりました。
 それに伴い、自分も着実に年をとり…自らが診療を行うのみでなく、初期研修医の外来プリセプターを担当することも増えてきました。

 皆、当直明けの一番眠い時期に集中攻撃?を受ける朝カンファレンスを経験しているからか、診察した患者さんの様子がよく分かるようにプレゼンしてくれます。
 アセスメントやプラン・患者教育の部分はまだ不十分なところもありますが(それは自分自身もなのだけれど…)、その場の知識を伝えるだけではなく、今後も活かせるようなアプローチの仕方を伝えていきたいと思っています。

 ただ、それには自分自身も勉強が必要で。

 若い先生たちに負けずに、自らも成長していきたいと思うこの頃です。




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2017年4月8日土曜日

六ヶ所村医療センターに行ってきました。

みなさん、こんにちは。S3となりました、湯沢町保健医療センター児玉です。
4月日から7日まで3日間、青森県の六ヶ所村医療センターで診療してきました。
六ヶ所村に入って、まず目に入るのは広大な土地、まっすぐに続く整備された道でした。
そのうちそこら中に風力発電のプロペラがし見えてきて、ソーラーパネルが見えてきて、日本中の1週間分をまかなえるという巨大な石油タンクが並び、そして有名な原子力発電所が現れました。

この村に入るとなんでも規模が大きく、北海道というよりはアメリカを思わせる方なスケールの大きさを感じました。
六ヶ所村医療センターも例外ではなく、19床という有床診療所+老健施設併設という規模を考えるとかなりゆったりした作りで、待合、診察室、どれをとってもひとまわり広い作りで、設備もCT、MRIとあり、まさにフル装備です。

患者さんは高齢者が多いものと予想していきましたが、湯沢と比較すると介護が必要な高齢者は少なく、逆に若い男性が多い印象でした。原発関連の若い労働者がたくさんいて、原発の作業服姿の方も多くいらっしゃいました。

外来を診ていく中で驚いたのは、糖尿病初回スクリーニングの患者さんでは眼底初見の説明まで必要であることでした。湯沢も含めて今まで眼科のある環境でしか働いたことがないので、場所が変われば求められることが変わってくるのだと実感しました。
一方で、手技と一緒に身につけてしまえば網膜症をコンサルトしなくても診られてしまうんだ!ということも発見でした。

さすがは協会内でも有名な研修施設とあって、4月初旬にも関わらず学生と専攻医が一人ずつ来ていて同世代と楽しく働ける環境でもありました。外来終了後は教育も兼ねてドッグの所見をがっちり読影。特に胸部X線では今までに知らなかった所見も多く出てきました。
そして名物「PCMカンファレンス」にも参加させて頂きました。取り上げられたのは夜間頭痛で脳梗塞が心配で受診した70台女性でした。松岡先生は緊張性頭痛を個々の筋肉にfocusした上で診断するdeseaseの視点と、同時に患者さんの受診理由を本当の意味で解決し、次回から自分で解決してもらえるように患者さんに言葉かけをされていて、deseaseをしっかり解決することで患者さんのillnessを変えられるかもしれないという視点をいただけました。振り返りなどでも、こうしたありふれた問題を取り上げる機会が、もっと増えていくといいのではないかと感じました。
船越先生には筋膜リリースを見せていただき、生食とは思えないほど肩が軽くなっていました。

異なる環境で実際に診療し、それぞれの環境の違いを感じる3日間でした。また、病院ごとのルールだけでなく、協力、紹介すべきコメディカルや介護スタッフがいないだけでこんなにも動きにくいかということも感じつつ、湯沢に戻って継続性の意味も改めて気づかされるように思います。


支援という立場にも関わらず、多くのご指導をいただいた、松岡先生、船越先生、スタッフの皆様、ありがとうございました。

まっすぐな道と、無数の風力発電、右奥にはソーラーパネルがあります。

名物ホタテとナマコです。新鮮で激ウマです。
最後に松岡先生と(船越先生もご一緒したかった、、)



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2017年4月2日日曜日

新年度スタートです!

プログラム責任者の井上です。

平成29年度が始まりました。
新しい環境での研修が始まる人、28年度から引き続き同じ研修先での研修をされる人もいると思います。
3月31日と4月1日でわずか1日しか違わないのに、区切りが変わるだけで気持ちが変わるというのは本当に面白いことだと思います。
ススメも新しい仲間を6名迎えることができました。今年度も専攻医のみなさんが充実した研修を受けられるよう、指導医、スタッフ一同がんばりたいと思います。

4月15日はススメの春のミーティングです。
年度が変わって、ちょっと成長した専攻医のみなさんに会えるのが楽しみです。
今までの専攻医のメンバーと新人メンバーの顔合わせになります。
新しい人を加えて、この一年みんなで楽しく充実した研修をしていきたいと思います。
がんばりましょう!!


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