2012年4月30日月曜日

赤羽という地域


 医師5年目(後期研修医3年目)の佐々木航です。

 現在は東京都北区赤羽にある、東京北社会保険病院の総合診療科で働いています。7月からは、青森県の東通村(下北半島の北東の端にあります)に移動します。

これをご覧になっている方の中には、「地域医療研修で東京って、意味ないんじゃないの?」と思うかもしれません。実は後期研修医としてこの病院に来るまでは、私もそう思っていました。しかし、 それは間違っていました。

 「東京都北区赤羽」も一つの地域です。当院の周囲には団地が林立しており、一人暮らしの方が数多く住んでいます。昔ながらのエレベーターのない団地で一人暮らしの高齢者が調子を悪くすると、病院受診も一苦労です。家族が遠方にいて連絡が取りにくかったり、家族が介護できなかったりとういうことも多く、地方の病院と比べると退院後の支援をするのが難しい印象がありました。しかし一方で、患者さんの団地の隣の部屋の住人が患者さんの部屋に住み込んで介護してくれたり、食事を届けてくれていたりなど、団地ならではの人と人とのつながりを感じる出来事も多かったです。はじめは漠然と「東京砂漠」と考えていましたが決してそうではなく、東京には地方とは異なる暖かさや絆があることを学びました。「一人暮らし」は「独り暮らし」ではないということも。

 というわけで、東京にいても、地域医療を存分に学ぶことができるのです。そこに人が住んでいる限り、そこでしか学べない人間ドラマがあるのです・・・というのは言い過ぎでしょうか。興味を持たれた方は、とりあえず「東京都北区赤羽」という漫画があるのでそれを読んでみてはいかがでしょうか。

 社宅付近から、団地をバックに桜を撮影してみました。4/30現在は、もう葉桜になっています。

1 コメント:

「地域医療のススメ」研修生 さんのコメント...

人と人とのつながりに「地域」を感じたということですね.
確かに地域の反対は砂漠かも...
自分も赤羽でつとめていましたが,どちらかといえば困難に対して「地域」を感じていたように思います.
勉強になります.
すがなみ

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