2013年4月27日土曜日

指導医のサイトビジット報告(磐梯編)

皆さんはじめまして。湯沢町保健医療センターの井上陽介といいます。
「地域医療のススメ」のプログラム責任者をしています。

今日は25日に福島県の磐梯町の磐梯町保健医療福祉センターにシニアレジデントの調先生のサイトビジットに伺ったのでその時のことをご報告したいと思います。

湯沢からは、上越新幹線→東北新幹線→磐越西線と乗り継いで磐梯町につきます。
当日は良く晴れたいいお天気で磐越西線からは会津磐梯山のすばらしい景色を見る事ができました。
磐越西線車内よりみた磐梯山

磐越西線車内よりみた磐梯山
磐梯町も湯沢とおなじくようやく桜が咲き始めた感じで、駅からセンターまでの途中でぽつぽつと桜が咲いていました。


屋島先生は自治医大の福島県の卒業生、木村先生は循環器内科の先生で再研修をされて診療所で勤めておられる先生です。
調先生と今の勤務の状況や困っている事、悩んでいる事はないか、今後の磐梯での研修でどんなことに気をつけようか等のお話をさせていただきました。調先生は磐梯の前は市立奈良病院という都会の大病院につとめておられました。まったく環境の異なる田舎の小さな施設なので、まだなれない事も多いようでしたが頑張っておられる様子がいろいろとお話をしてよくわかりましたし、きっといい研修ができるだろうなと思いました。
また普段の研修についてもこのブログに書かれることと思いますので、期待していて下さい。調先生よろしくお願いします。
夕食は調先生の歓迎会(お風呂と会食)にご一緒させていただき、楽しい時間を過ごす事ができました。

「地域医療のススメ」では、プログラム責任者の私がこんな感じでいろいろな施設にいるレジデントのサイトビジットを行っています。
また出かけたらご報告させていただきます。
よろしくお願いします。

2013年4月14日日曜日

カルシウムとビタミンDの摂取は高齢者の骨折を減らすのか?

S2の田中です。
現在は岐阜県にある揖斐郡北西部地域医療センター(久瀬診療所)で研修をしています。



EBMネタが続きますが、先日EBMスタイルの抄読会を学生・研修医向けにおこなったのでその報告をしたいと思います。今回あつかったのは以下の論文です。

Effect of vitamin D(3) and calcium on fracture risk in 65- to 71-year-old women: a population-based 3-year randomized, controlled trial--the OSTPRE-FPS.

ちょうど久瀬で「骨粗鬆症と転倒予防」についての健康教室をおこなったばかりで、ホットな話題でした。また普段論文を読んだことがない医学生や研修医が対象だったので、RCTを選びました。名郷先生の「歩きながら論文を読む(治療編)」に準拠して読んでみました(詳細はステップアップEBM実践ワークブックを参照)。

P:65-71歳のフィンランド人女性が
I:ビタミンD 800IUおよびカルシウム 1000mgを3年間内服するのと
C:内服しないのでは(※ プラセボではない)
O:骨折は減少するか

ランダム化:○
ITT解析:×(※ modified ITTと書かれていますが、ひっかけです)
一次アウトカム:どれも有意差なし

(以下、私見)
ITT解析されておらず、マスキングもされていないにもかかわらず有意差が出ていません。ビタミンDやカルシウムの摂取と骨折は関係がなさそうです。この論文を読む限りでは、積極的に上記を処方しようとは思えません。

その後はEBMのステップ4、患者さんへのエビデンスの適応に関する議論で大いに盛り上がりました。

ちなみに最近の医学部3年生は「95%信頼区間が1をまたいでいると有意差がない」ことを知っているようです…恐るべし!卒前教育も進化しているのですね〜

2013年4月13日土曜日

エビデンスの収集法について

菅波です。

自己学習方法のシェアです。

名郷先生から教わったことです。

日々多くの論文が出版される中で、その流れにどうやってついていくか。

①UpToDateやDynaMedをよくみる(JADECOM職員はMoss経由で無料です)

②Evidence収集系のサイトのアラート機能を利用する。

・EvidenceUpdate (無料)
 http://plus.mcmaster.ca/EvidenceUpdates/

・EssentialEvidencePlus (年間85ドル)
 http://www.essentialevidenceplus.com/

・DynaMed(JADECOM無料)
 http://www.ebsco.co.jp/medical/dynamed/


③医学5大誌のチェック
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%BA%94%E5%A4%A7%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E9%9B%91%E8%AA%8C


③はなかなか厳しいですが 、②はこの春から始めてみました。
おもしろいですよ。
たとえば
「少量コルヒチンが心血管疾患の二次予防に効果あり」
とかがメールで来ると、まじかーとなります。

Nidorf SM, Eikelboom JW, Budgeon CA, et al.
 Low-dose colchicine for secondary prevention of cardiovascular disease.
 J Am Coll Cardiol. 2013 Jan 29;61(4):404-10. PMID: 23265346
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23265346?dopt=Abstract


CMEC-TVも登録しています。(年間5250円)
http://www.cmec.jp/cmec-tv/



2013年4月12日金曜日

社会人大学院

S2片岡です.
実は,この4月から筑波大学の地域医療教育学教室という研究室の大学院生になりました.
http://pcmed-tsukuba.jp/

昼夜開講制大学院ということで,働きながら4年間通学する予定です.
はじめの4,5月は講義があるので通学の頻度は多くなるのですが,だいたい月2回くらい
つくばに足を運ぶ予定です.

今日は初回のゼミで,4年間の大まかな流れの説明という感じでした.
教科書の紹介もあったのですが,その中で一冊,研究計画を立てるときに
参考になりそうな本を紹介したいと思います.


医学的研究のデザイン -研究の質を高める疫学的アプローチ- 第3版

http://www.amazon.co.jp/dp/4895925838

学部の時に第2版を読んだのですが,研究デザインの質を高めるにはどうすればよいか,
また実際に研究計画書をどのように書いたらよいかというところも,わかりやすくかかれています.

ポートフォリオにも研究が項目としてあるので,これからも役立ちそうなネタがあれば,シェアしていきたいと思います.


片岡 義裕

2013年4月7日日曜日

風景のリレー① 久瀬診療所前の四季

菅波です.

診療所前からの景色をiphoneで撮りためています.

是非ほかの地域の景色もみせてほしいでーす.








東の通りから東の海へ。整形外科研修



 つい1週間前に医師6年目(後期研修4年目)になった佐々木航です。現在は茨城県東海村にある村立東海病院の整形外科で研修中です。3月までは青森県の下北半島の東通村診療所にいました。東通村(ひがしどおりむら)から東海村(とうかいむら)へ。一文字しか違いませんが、車で10時間、気温は10℃以上違います。突然花粉症を発症しました。

「○さん、おはおうございます。調子はいがかですか?
「膝が痛くてね。ずっと前から。なんとか歩いてるよ。これはやっぱり年のせいかね?
「そうですね・・・。たいへんですね・・・。おうちには手すりついてますか? 日中子どもさんはおうちにいますか?
「息子は昼間は働きに出てるね。湿布あればいくらかいいよ。あといつもの薬ちょうだいね。」

 診療所での私の診察はこんな感じです。逃げてるな・・・と思いつつ、腰痛や膝痛の治療は鎮痛薬以外に大して有効な治療がないのでは、という気もしています。それでも何か膝・腰・肩の訴えのある患者さんに診療所レベルでできることはないか、あと専門医に紹介すべき患者さんを判定できるようにならねば、ということで3ヶ月間整形外科研修を選択しました。研修開始から1週間になりましたが、骨・筋肉・神経の解剖や身体所見のとりかたを頭にたたきこんでいる最中です。



 村立東海病院入口にある謎の人型。意味深のような、そうでないような。