2012年7月24日火曜日

住民に対する健康カフェ

地域医療のススメ最北端の研修地 十勝いけだ地域医療センターのシニア3年目 三浦太郎です。

池田町は町を挙げてワイン造りをしている町で、
写真にあるお城がワイン工場であり、町を見下ろしています。

ここでは、シニアの卒業生2人、後期研修の私を含め5人で勤務をしています。

今回は、こちらで行っている健康カフェについて書こうと思います。
2011年12月から、町内の有志を募り健康カフェを開催しています。
企画者は多彩で医師、看護師、理学療法士、栄養士、事務、町職員などなどで構成し、
毎月、様々な話題をカフェ形式で行っています。

その中の一コマ、睡眠についてみんなで話し合いました。


皆で、模造紙に書きあいながら議論を深めていきます。
 途中で、席替えも自由で、
最後にそれぞれのテーブルで話し合った内容を発表しあいます。

みんな、不思議と段々知らない人同士でもお喋りに華が咲いていくんですよね。

このような町民とのふれあいをすると、
思いがけないアイディアが出てきたり、ここの地域の文化が垣間見られたり、
他職種との新たな繋がりが出来たりして、非常に面白いです。

病院内の外来で来る人だけ見ていても町の健康は良くならず、
こういうような試みを通して町民皆が健康に対して興味を持ってくれたらなと思っています。

興味を持たれた方は是非、ブログも覗いてみてください(^^)
http://ikedacafe.blogspot.jp/

2012年7月17日火曜日

家庭医専門医試験

修了生の佐藤優子です。
一昨日、家庭医専門医試験を受けてきました。・・・疲れました。

渡辺先生がメーリングリストに試験について投稿されていましたが、私もここに感想を載せてみます。

☆試験は普段の診療に似ていました。
今年は『そんなのまったく見たことも聞いたこともない!』という設問はありませんでした。
子供から大人までカバーする診療所で、在宅と外来を担当していれば、(1年やっていれば少なくとも1回は)経験するであろう疾患、相談内容が多かったと思います。
逆に普段の仕事が病棟管理中心だったり、子供をまったく診ない環境だったりするときびしいかも、と思いました。

普段からエビデンスやガイドライン、保険適応などをきっちりは確かめずに、『だいたい正しい』レベルで行っていたことは、試験でも100点の解答は作れませんでした。(当たり前^^;)

また、実際の外来でも『こんなケースにあたったら、どう対処しようか困っちゃうな~。』というケースは、試験でもうまく対処できませんでした。(これも当たり前・・・)

これから先も、1つ1つの診療の質を高め、1つ1つのケースに誠実にやっていかないとなあ、と思いました。

☆試験ならでは、普段の診療と違うこと。
設問は1つ1つ、設定が違います。
患者さんは『初めて会う』設定だったり、『顔見知り』の設定だったり。
『身体診察で何の所見を取るか』を求められていたり、『すでに身体診察は終えた後です、今後のプランだけ立ててください。』という設問だったり。
その設定に入り込むのに苦労しました。
『顔見知り』と言われても、実際は初めてお会いするSPさんだし、『身体診察をした』と言われても、実際にはしていないので違和感がありました。
これは試験ならでは。しょうがないんですけどね。

あと、きっちり時間制限があるので、時間内に結論を出さないとどんなに中途半端でも終わってしまいます。
時計を見ながら『あと3分で、これとこれを問診して、さらに方針を決めないと!』というふうに焦ってしまいました。
私の場合普段から診療が遅いので、『もう少しタイムマネージメントもできるようになりなさい。』ということかもしれませんね。

以上、感想でした。

朝の集合の時に『地域医療のススメ』の仲間にたくさん会えて、なんとなく心強く思いました。
みんな合格しますように!

2012年7月4日水曜日

ヘルスプロモーションのポートフォリオ勉強会②


報告がおそくなりすみません.久瀬診療所S3菅波です.

今年度からのポートフォリオ勉強会では,一日のうちに理論解説とポートフォリオのディスカッションを両方行うという方法を試しています.
自分としては一日のうちに両方行うことで,より理解が深まるなあという実感をえています.

さて,今回の「ヘルスプロモーション」というテーマですが,高橋先生にとてもわかりやすく解説して頂きました.
「ヘルスプロモーションと言えば健康教室でしょ!」とか,「大事なのはわかるけど短期勤務となる後期研修医にはハードルが高いなあ.」
というイメージがありがちですが,
「どんな些細な活動でもまずは住民とともに気軽にやってみよう!」というスタンスでよいのでは?という提言をもらいました.
ちょっと固く考えていた自分としてはその話のおかげで肩の力をぬくことができました.

今回紹介された地域包括アプローチは,「家庭医療のエッセンス(草場鉄周先生編集)」を主に参考にされていました. 

主となったメッセージを以下に挙げてみます.

・「最終目標は地域・コミュニティの発展,幸福,安心である」という考えのもとで,医療者の立場で住民と協力して行うあらゆる活動はヘルスプロモーションの一環である.

1回の活動で何かを変える!ということよりも,活動すること自体や,それにより生まれたつながり,ビジョンの共有,地域理解の深まり,チームができることなどが重要である.

・「この問題は目の前にいる患者個別の問題をこえたものかもしれない」と気付いた場合は,まず身近な人(同僚・スタッフや地域のキーマンたち)と話してみよう

・地域・コミュニティへの理解・評価に関しての情報収集を(できるだけ気軽に)行い,メンバーを集め,思いを共有し,チームでミーティングを重ねながら活動しよう!

・失敗を恐れず,まず行動してみよう!それが貴重な一歩になるはず.

という感じでした.(足りない部分もあると思います.たけしさん捕捉あればぜひよろしく!)

ポートフォリオ事例報告では,現在進行形のケースを報告してもらいました.
その分リアリティーがあり,しっくりきたように思います.

地域医療のススメの研修先での強みとして,各地域での密着した活動・信頼関係があり,私たちシニアも,地域・コミュニティに働きかける活動はとてもしやすい環境を頂いているように感じます.
ぜひその強みを生かした仕事をしたいと思えました.


今回参加できなかったシニアの皆さんも是非一度資料をご覧ください!

2012年7月3日火曜日

奈良のススメ

市立奈良病院の地域医療のススメS2の調(しらべ)です。

初期研修終了後、同病院の総合診療科で1年と少し勤務していてスタッフとも馴染んだ気がする今日この頃です。

この病院の総合診療科は関西では珍しく、主に病院に来る初診全て(救急+外来)でやっており、 救急車台数も実は奈良県下3位(もうすぐ2位?)と2次病院として機能しています。若手スタッフも多く、他科も一通りはあるので、当直時は奈良県下のたらい回しを防ぐキー病院としてのやりがいと責任を感じる日々です。

周辺環境としては奈良市自体が人口36万人、高齢化率19%程度、観光地と老若男女さまざまな人が集まりやすいせいか多様性があり患者さんの背景は興味深いです。「古都で老後を過ごそう」といった高齢者用賃貸マンションも多いようで、どの施設がどの程度まで介護含めた対応できるのかが大事な情報になっており面白いです。


個人としては、奈良に来てこの1年間、奈良市内をよく自転車に乗ってウロウロしました(車がなかったので笑)。流行りの町屋カフェもあれば格式高い店も、昔ながらの正体不明な雰囲気の店までも。。京都と同じ碁盤の目ですが、より道は細く、ここにも人が住んでいるのかと昔ながらの密集した住宅立地に驚くばかりです。と思えば古墳が至る所にあったり、帯解(おびとけ)、京終(きょうばて)、恋の窪など面白い地名もあり歴史好きにとってはたまらないです。

イベントは多くあり、春は氷室神社の桜、夏は燈花会、大文字焼き(奈良にもあります)、秋は春日大社の紅葉、冬は若草山山焼きと様々なイベントもあり奈良らしさを感じ続けた1年でした。
周囲には月ヶ瀬、柳生、田原、都祁といった大和高原の診療所群があり、飲み会、代診、搬送、入院で交流をしています。車で行くと、どんどん街から素朴な風景へ移り変わっていくのが癒されます。
 
こんな感じで研修していますが足りないとこも足りているとこもあると感じます。
だいぶ奈良に慣れ親しんで早く地域に出たいと思いつつも、奈良は過ごしやすいなと感じながら過ごしている日々が続いています。