2014年12月29日月曜日

海外留学行ってきました。

 修了生の長坂です。

 報告が遅くなり年末になってしまいましたが、今年の10月、1か月間の短期ですが海外留学に行かせていただきました。本当は後期研修の期間中に行く予定だったのですが、英会話の勉強が進まず1年延びてしまいました。

 後期研修プログラム「地域医療のススメ」では研修中に最長で3か月間の海外留学に行くことができます。後期研修医だけでなく地域医療振興協会の職員であれば海外留学制度は利用できるようです。

 今回行かせていただいたのはアメリカ、オレゴン州のポートランドにあるオレゴン健康科学大学(通称OHSU)です。オレゴン州やポートランドは日本ではあまりなじみがないかもしれません。実際私も今回行くことになるまでどこにあるか知りませんでした。オレゴン州はアメリカ西海岸の北の方で、カリフォルニア州とワシントン州の間にあり、消費税がありません。ポートランドはオレゴン州最大の都市で、札幌とほぼ同じ緯度にありますが、札幌ほどは寒くないようです。


丘の上にあるOHSUのトラム乗り場から見た景色

 OHSUにはアメリカでも有数の家庭医療のレジデンシープログラムがあり、家庭医が専門医として地位を確立しているアメリカでの家庭医療の現場、研修・教育の方法を見学させていただきました。大まかな内容は、クリニックでの外来見学、病棟見学、ナーシングホーム見学、訪問診療見学、プリセプティングの様子、行動医学の勉強会への参加、学生のOSCE見学、へき地での医療、針治療外来見学、等でした。
 印象に残ったことは多数ありましたが、プリセプターが常に待機しており、レジデントがいつでも相談できる環境はいいなと思いました。外来での診療時間も日本と違い、1人に対し15分~30分ほどの枠がとられていました。また、麻薬に関しての考え方もイメージと違っていて、アメリカでは麻薬を積極的に利用していると認識していたので、麻薬に対し肯定的な考えを持っていると考えていましたが、実際は麻薬依存、使用量の増加が問題になっているようで、「日本にはアメリカと同様の道を歩んでほしくない」とのOHSUの医師の言葉が印象的でした。そして、アメリカ全体がそうではないようですが、カルテ開示に関してもOHSUは先進的で、患者さんはインターネットやアプリを用いて、自分のカルテを自宅などで確認でき、医師も自宅でカルテを確認でき記載もできるようでした。
 日本に導入したいシステムや、参考にしたいことはたくさんありましたが、医療のレベルや教育に関しては、日本もそんなに負けてないかなと感じました。
 
 医療の見学だけでなく、もちろん観光もしてきました。ちょっと足を延ばして、シアトル、ロスアンゼルス、NBA開幕戦や広大なアメリカの大自然も堪能してきました。
オレゴンの海岸線

NBA開幕戦
ポートランドトレイルブレイザーズ(白)

オレゴン州の南部、クラマスフォールズにある病院

 アメリカの医療現場や文化に触れられ、考えていた以上に有意義な留学だったのですが、ただ一つ問題があったとすると、それは最後まで英語がわからなかったということでした。
 2週間ぐらいすれば聞き取れるようになると聞いていたのですが、そんなことはないということがわかりました。

 ただ、英語がわからなくてもみんな親切に接してくれ、何とかなりました。せっかくの制度なので英語ができないからと消極的にならず、多くの人に体験してもらいたいと思います。

 

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