2016年10月4日火曜日

東京都神津島!

みなさん、こんにちは。神津島からS2児玉です。
支援で1週間だけ勤務して来ました。島特有の医療を経験してきましたので、皆さんに共有したいと思います。
神津島は伊豆諸島の人口1800人が暮らす島で、東京都に所蔵しています。以前はフェリーしかなかったのですが、今は調布空港からプロペラ機が3往復していて、45分で到着するので意外と東京と近いなという印象です。
高齢化率は27%と、思ったより小児や若い方も多いです。島にある医療機関は診療所のみで、医師2人が勤務しています。
入院は一応可能なのですが、夜勤看護師が入院と外来を同時にこなすのが困難な上、食事も家族持ちになるため、入院のハードルはかなり高いです。また、島のほとんどの方が在宅でのお看取りを希望されるという文化的背景もあります。実際に酸素が必要な肺炎の方に在宅酸素を貸し出して自宅で訪問診療をしたり、複雑型熱性けいれんのお子さんを自宅経過観察にしたりした例があり、フォローアップの仕方に柔軟性が求められました。
緊急の患者さんは、天候がよければ東京からドクターヘリを要請して、3時間くらい待つことになります。昨年は年間で20回弱のドクヘリ要請があったそうです。そんな中、僕がいた1週間で3件のドクヘリ要請があったことは非常にまれだそうで、最後に看護師さんから「先生がたくさん患者さんを呼んでくれたからよい刺激になりました。ありがとうございました。」というわけの分からないコメントをいただきました。(笑)
救急車は村役場の職員が代行しているため、ほとんどの患者さんは自力でやってこられます。一つの集落に密集して住んでいて、車で3、4分圏内に集中しています。そんなわけで意外にも初期対応がスムーズにできることが多く、搬送患者の1人は窒息の心肺停止の高齢者が呼吸再開した例もありました。超急性期の脳梗塞や心筋梗塞に診療所内でのt-PAのプロトコールと作っていたりと、かなりアグレッシブな医療をされていました。
患者さんの多くは定期受診と小児を中心とした気道感染でしたが、2歳の複雑型熱性けいれん、高校生の脊椎分離症、皮下膿瘍の切開排膿、どろどろの陥入爪など、小児やマイナーも含めた幅広い知識が必要な上、ごくまれに3次救急がやってくるというスリリングな環境でした。


ススメの先輩で「どんな環境にでも適応できてこそ家庭医だ!」と言われていた方の気持ちを少し体験できた1週間でした。




 漁港


 ご褒美の入れ食いでした。1時間半でムロアジ11匹!!

 診療所
夕日の美しさは格別です





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1 コメント:

Unknown さんのコメント...

児玉先生

湯沢町保健医療センター井上です。
神津島での診療お疲れ様でした。忙しい一週間でしたね。島は陸続きとは異なる対応が求められる環境だと思います。
何にでも対応するという、「地域医療のススメ」の目標を経験できたことは、よかったと思います。今年の後半、また島に行くことがあったら、その時にどうすれば対応できるだろうとか、何が他に必要だろうとか、いろいろと考えて研修を進めていくと、今回の診療がより生きてくると思います。
頑張ってください。

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