岐阜県西部の山間地にある揖斐郡北西部地域医療センターに勤務している奥村幸治です。
6月16、17日に三重県で開かれた日本プライマリ・ケア連合学会学術大会に参加しました。私がこれまで学会に抱いていたイメージは「行かないといけなそうなのでなんとなく行く。いろいろ小難しい話を聞くが、いつの間にか寝てしまう」というものでした。
このページをご覧くださっている方の中にも同じようなイメージの方はいないでしょうか。
しっかり話を聞いてみると、実に興味深い話し合いがなされていることに気づきました。印象に残ったのは大学病院、小病院、離島の病院に勤務する総合診療医が、それぞれの立場で大切にしているクリニカルパール(短く、回りくどくない臨床上のアドバイス)について語り合うものでした。
いくつかの例を申し上げれば、/悪寒の程度によって菌血症のリスクが変わる。患者が震えていたら医者が震えろ/上級医と言い争え、でも従え。看護師や患者とは言い争うな、でも曲げるな/迷ったときは家族と思え/…などなど。
医学生や初期研修医の方に向けた「カンファレンスで賢そうにみえるパール」(?)もありました。カンファレンスで意見を求められたときに、「これは…悪性腫瘍を否定しないといけませんね」と言うと賢くみえるそうですよ? コツは「これは…」の後に 「ため」をつくることだそうです。
学会にはポスター発表というものがあります。伝えたい内容をいわゆるポスターにまとめ、現場にいる人たちの前(十数人であることが多いです)で、10分間ほどで発表します。
私の上司は今回、このポスター発表を2回しました。初日は地域医療研修で成長するための研修のコツについて、研修生に行ったアンケートを分析した結果を紹介し、二日目は地域たたき上げのベテラン看護師の持つノウハウを次の世代に引き継ぐために、当院で1年間かけて行った取り組みを紹介しました。二日目は当院の誇る若手、ベテラン看護師6人が応援に訪れ、上司の発表を盛り上げてくれました。
以上、学会の報告でした!
※写真は学会で撮影した揖斐関係者の集合写真です。
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1 コメント:
奥村先生
湯沢町保健医療センター井上です。
プライマリ・ケア連合学会三重大会のご報告ありがとうございます!
先生が聞かれたクリニカルパールはなかなか蘊蓄があっていいですね。自分も学生さんに言ってみようと思います。
来年度は京都でプライマリ・ケア連合学会は開かれます。
是非来年度は先生もポスター発表にチャレンジしてください!
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