2012年2月23日木曜日

感染症セミナー in 奈良


S3の並木です。
今週が当番ではないですが投稿してみました。
投稿を見る限り、みなさん、そんなにすごい研修を日々しているのかと驚いています。

そんな私は、なんとなく、載せたくなったので書いてみました。

今回は「感染症ウインターセミナー2012 in 奈良」に参加しましたのでその報告です。



感染症の好きな80人が奈良に集まって、院内感染/免疫不全者をテーマに3日間語り合う集いでした。初期研修から経験豊富なな内科医、外科医、小児科医、産婦人科医、感染症専門医が集まって、症例ベースに語り合いました。
8人で1チームとなって3日間過ごしました。そして、チーム毎に名前を決めるのですが、私のチームは下記の名前でしたよ。意味が分かる方はややマニアですね。




「鹿糞線虫」です。。。

奈良の「鹿」と「糞線虫」を合わせた?名前のチームです。

まず笑えないですね。それでも3日間、これで過ごしました。。。
沖縄で医療を行っている先生が何人かいたのでこれになったんです。

みなさん、糞線虫をしっているでしょうか? 糞線虫は、沖縄に多くいる寄生虫です。
実際の動画を持っているので見せたいくらいですが、、、。

写真を見た方が早いので興味がある方は調べてみて下さい。

これをしらないと沖縄では必ず痛い目に遭うくらい大事な寄生虫なんです。



私のチーム名もすごいですが、他のチーム名もマニアック?でした。
「奈良ペネム」「奈良マイシン」「多剤耐性せんとくん」なんてのもありました。

こんな変なチーム名ばかりでしたが、感染症のスタンダードを語れる楽しい集団でした。


今回このセミナーに参加したのは、協会内で研修をしていて、特に感染症の治療をしていて、グラム染色や培養結果の解釈について語れない現状を変えたいためのものでした。まだまだ多くの施設で、そもそも培養はとらない、グラム染色なんてしないという姿勢がまだ残っていると思います。できないからしょうがないという意見も含め、賛否両論あるかもしれないですが、地域で内科を任されることが多い人は、よく検討してもらいたいことだと思っています。



それはさておき、3日間のセミナーの合間に観光もしました。
奈良公園や有名なお寺などなど。もちろん一番の有名どころは行きました。


大仏の中でも、「メロペン」みたいな方のところです。


奈良の大仏以外にも、色々と観光しましたが、奈良は古風な良い町でした。日本にしては理路整然とした町並みで、食べ物もおいしかったです。そして何より奈良の丁寧な方言には癒されました。

以上、まとまりなく、つらつらと書きましたが、この3日間で再認識したことは、地域でも「抗生剤」をうまく使えることが大事だということです。地域を感染症の視点から考えることも大事だということです。とりあえずCTRXという選択は、高血圧にとりあえずACEiと似ていますし、それ以上にひどい気もします。今使っている抗生剤治療は本当によいか考えてみてほしいと思います。
ではまた、来週書き込みます。


4 コメント:

「地域医療のススメ」研修生 さんのコメント...
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「地域医療のススメ」研修生 さんのコメント...

六ケ所村尾駮診療所 S2の小林只です

御報告ありがとうございます。
IDATENのセミナーは私も以前1度だけ参加したことあります。

今回は、医療資源が少ない田舎での現実的な対応方法というテーマはなかったでしょうか?

また、「適切な」感染症治療のためには「適切に抗生剤を『使わない』」という判断が重要だと思います。


地域で医療やるうえで、感染症の適切な対応は「必須」ですよね。結果的に搬送する後方病院が困らないように、初期対応と加療をしたいものです。

グラム染色は、外来でよくやっています。これなしでは、「適切」に対応ができないです。

ただ、血培だけは、青森では2セットとってもコストはOKですが、院内ラボがない診療所では、保存管理の問題で、陽性率が落ちます。それも勘案してやっています。

他の検体(喀痰、尿など)で起因菌が推定できる時は、取らないですし。
そんなわけで、当院で血培を取る時は、
1.急性期患者
 当院で加療できる範囲の患者で、肺炎・尿路感染以外の敗血症症状患者。
 例)手術/処置適応のない胆管炎や穿刺吸引できない場所の膿瘍疾患、起因菌が推定できない重症の尿路感染症でしょうか。
 後方病院搬送へ搬送する患者で、初期抗生剤が必要な場合で(搬送まで時間的に余裕がある場合)。医師1人、看護師1人でやっている救急では、よっぽど余裕が無い時しか血培まで手が回りません(直近の後方病院まで救急車1時間半かかります)

2.亜急性期
 外来管理可能な全身状態の患者の不明熱や不定愁訴

でしょうか。長文失礼しました。

「地域医療のススメ」研修生 さんのコメント...

S3 並木です

 残念なことに田舎のことについては触れられていなかったです。
 大学病院内にいる気分でしたよ。

 小林先生のように診療所で診療している方からの意見は貴重ですね。
 特に私や小林先生のように若い先生からの示唆にとんだ内容は様々な先生やスタッフへの刺激になるはずです。

 小林先生のおっしゃるように医療資源が少ないのが診療所であったり小病院の特徴でもあり、地域医療を行う者の腕の見せ所なのだと思います。青森ではこうであるという積み重ねが大事で、結果的に地域におけるBiogramを形作ることになると思います(より現実的には、培養を送った先に問い合わせることが、各施設のBiogramを作ることになりますが)。そして違う場所では違うやり方があるということが分かってくれば、地域医療振興協会の施設に共通した良い対応がみえてくるかもしれません(ないかもしれませんが)。

 せめて協会内の診療所や病院で、適切に抗生剤を使用する、抗生剤をしようしないという議論ができたら面白いかもしれません。そしてGram染色に関する研修をどこでするか、血液培養をどのような時にとるか、どうやったら早くとれるかなど、施設毎でも何か基準を作っていこうとする動きができたら楽しいなと思います。

 来年度チーフとしては、抗生剤のような各論に関しても、各施設・診療所でどのように考えおこなっているか、みながみれれば楽しいかなと思いました。
 せっかくなので、自分がチーフとしてやってみたいことに、各診療所における血液培養の適応や抗生剤使用を候補にしようと思います。他に興味がある人がやってももちろんいいですが。。。

「地域医療のススメ」研修生 さんのコメント...

S2 小林只です。

コメントありがとうございます。並木先生お疲れ様です。
>各診療所における血液培養の適応や抗生剤使用を候補にしようと思います
→協力しますよ。

グラム染色は、各施設に実は「得意」な技師さんがいそうですが、どうでしょうか。
伊東市民病院にもいまして、よく教えてもらいに行っていました。
実際の画像に関しては、
・グラム染色道場http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/
・本:感染症ケースファイル―ここまで活かせるグラム染色・血液培養
が個人的にはお勧めです。
ちなみに、田舎の外来ベースよくやる1例を提示します。

*1日1回で血中濃度を保てる
 1.セフトリアキソン
 2.在宅でのチエナム筋注(筋注のため訪問看護で実施可能、腎機能が悪い患者なら2日毎でもOK)

院内在庫問題で、1剤しか点滴製剤を置けないという状況なら、1でしょうか。2(在宅もやるなら)でしょうか。

・内服抗生剤の血中濃度上昇まで期間、点滴静注でカバーする方法(
P:市中病院での呼吸器・尿路感染症、
E:初日より内服抗生剤開始、同時に同じスペクトラムの点滴抗生剤開始。点滴は2日間で終了、内服は7~14日継続。
C:7~14日の点滴抗生剤
O:解熱期間、軽快、退院 いづれも非劣性OK
というデータもあります。文献忘れましたが・・・

2~3日のみ点滴で通院してもらって、内服へスイッチ、培養結果でたら内服薬変更というマネジメントが結構多いです。

また、

高齢者の誤嚥性肺炎(肺炎球菌メインでない)では、
1.サワシリン高容量(15g分3など)
2.ユナシン/オーグメンチン
 細粒製剤の溶解性問題あるが何とか工夫でOK
 上記錠剤は、内服直前の粉砕でないと、製剤的な問題が生じる。保健適法問題からクラバモックスは青森では使用できないが、ユナシン/オーグメンチン細粒の小児用の大人への使用(12g~15g分3と結構な量だが)は保険通る。
 
3.クラビット(SPACEカバー目的)
 しかし、嫌気性菌カバーが弱いので、フラジール内服を併用することもしばしばです。

注意)サワシリンDs以外はNG tubeが詰まりやすいので、介護者に説明が重要。

ムコダインDs、ビオフェルミンR、漢方薬(高齢者は抗生剤などの攻撃剤で容易に「裏寒」になるので、温裏剤{人参湯、真武湯、茯苓四逆湯など}併用を結構します。)などを併用するとさらに量が多くなりNGtubeが詰まりやすいので・・・提示薬との割合も考慮。

でしょうか。

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