2012年2月27日月曜日

心臓超音波検査していますか?


 S3並木です。

 前回は感染症の話を書いてみましたが、小林先生のお返事は的確でした。
 (見ていない方は是非見て欲しいです)

 みなさんの施設や診療所でもどのようにしているか、共有できる形で提示して頂けるとよいかと思います。特に中病院以上では難しいところがありますが、診療や小病院での基準などがあればとりまとめてもよいかと思っています(小林先生が筆頭でやれたらいいかなと考えています)。湯沢や揖斐でもいいですが、診療所に長くいる先生で、もし基準がある方は教えていただけると協会の記録や歴史に残りそうです。

 今回は「心エコー」をテーマに書きます。
 
 みなさん、診療所や病院で勤務していて心エコーをあてる機会はあるでしょうか?
 おそらく、胃カメラや腹部超音波はするけども、心エコーは当て方もわからないなという方もいると思います。協会の中にいる限り、他の検査に比べてやれなくても良い検査として研修をしない先生もいるでしょう。
 お腹はエコーでみるけども、心臓は何故見ないのでしょうか。見なくてもいいからでしょうか。この話は大腸内視鏡にも同じように言えることかもしれません。できたらもちろん良いけども、地域毎で違うというのが大方の意見で正しい意見かもしれません。
(ただそれだけでは技術研修もしたい後期研修医にとっては参考にならないと思います)

 色々と意見はあるでしょうが、私は、地域医療を行っているものとして、出来るに越したことはないと思っています。そしてその解釈をよりよくできることが大事であると考えています(当たり前でしょうが)。





 みなさまは、心エコーの結果をどれくらい診療に反映させていますか?技師さんと心エコーの結果について議論したことはあるでしょうか。

 私は昨年より、ようやく本格的に心エコーを習い始めました。甲状腺や腹部エコーを学び始めたときと同じ気持ちで励んでいます。スクリーニングができ、(専門性の高くない患者限定ですが)自分の患者がフォローできることを目標にしています。

 他の施設の先生方は心エコーを研修しているのでしょうか。している方はどのあたりを目標にしていますでしょうか。したい先生はどの施設ならば集中的にできるのでしょうか。大腸内視鏡も含めご意見のある方は是非教えていただきたいと思います。


 また週末に西吾妻福祉病院のことについて書きます。

5 コメント:

「地域医療のススメ」研修生 さんのコメント...

S2 六ケ所村尾駮診療所 小林只です。

並木先生連続投稿ありがとうございます。あんまり私ばっかり書きすぎるのも他の方の書き込みの閾値を上げてしまいそうでなんですが。当院では医師全員が心エコーはルーチンで実施し、全例夕方に検討会でディスカッションします。技師はいません。

院内に3つエコーがあります。
1.検査室用のアロカα-10(腹部、心臓、体表プローベ) 2.救急室・外来用のアロカα-6(腹部、心臓、体表プローベ) 3.GE V-scun そのため、超音波使用の閾値は限りなく低いです。

心エコーは研修医が希望すれば指導。
 ルーチンとして 1.基本的な断面描出(dopplar) 2.拡張障害(E/A、E/E_)
 advance)血流測定、弁口面積測定方法
 異常病変pickupとして、3.明らかなasynergy、4.心嚢液 といったところです。

当院の医療資源:
①最も近い循環器専門医まで救急車1.5時間。 ②Drヘリ・救急で非常に頼りになる八戸市民病院 
③その近くの八戸ハートセンター(非常に的確なfeedbackを頂ける)

当院での心エコーの役割ですが、
1.一般診療
 ・心雑音精査(時に小児も) ・心電図異常精査(検診含め) ・弁膜症の経過観察(術前AS,AR,MR)術後であっても、急変時は一旦当院搬送されるのでフォローも。・不明熱検索:感染性心内膜炎 ・二次性高血圧精査 ・心房細動の基礎疾患検索(①左房の大きさ:Pafなら発作性の頻度も推定 ②ダビガトラン投与前 ③拡張障害の程度:Pafの時の心拍出量低下の程度の予測)

2.救急診療
 虚血性心疾患精査
 ・AMI疑い:asynergy+解離除外確認(心嚢液、AR、flap)
 ・高齢者突然SpO2低下→痰詰まり?いや肺梗塞・・・?(右室負荷)
 ・不整脈(当院での現在のブーム):難しい心電図判断よりも非常に簡便かもしれない。(pubmedでも研究はないようですが)
  ①心房と心室の拍動一致の程度 ②心室性不整脈:起源が一目で分かる この2点より
   ・PSVT:AVNRTとAVRTの鑑別  ・心房細動と心房粗動 ・洞機能不全?補充心房調律?
   ・一見sinusに見えるreg-rhythmと3度 block  ・VTとpeudoVTの鑑別
 
3.教育的
 心雑音精査:心エコー所見との整合性解釈(収縮期雑音は、ASなくても、左室流出路の音が多い)
 
 上記、医療資源のため、特に、心カテが医学的にはもちろん社会的(家族・親族の納得のため)に必要な時は紹介。ただし、心カテ自体が脳梗塞リスクのため、勘案して紹介することも(これも家庭医の腕??)
・A病院はなんでも心カテ(感度高い)、
・B病院は、マンパワーが少ないためヘリカルCTで症例を絞って実施(特異度高い)
長文失礼しました。

「地域医療のススメ」研修生 さんのコメント...

S2 小林です。
大腸内視鏡CFは、私は実施して1年半になります。当院の松岡所長、船越先生のヘルプありです。
1度他院での短期集中研修で20例程実施しました。その後は、私は平均すると週1例程度(検診便潜血・貧血精査、新規便秘、虚血性腸炎含む原因検索、障害者・精神科疾患患者の偽大腸拡張のガス抜き等)で、現在total 100例少し程度です(弘前大学は歴史的に2人法ですが、基本的に1人法で実施)。当院で希望される患者の良性adenomaの簡単なポリペクも計10例(1泊2日入院)

当院には、コロナビがあるので被曝せずにCFの位置確認が可能のため、自分一人でもTotal CF成功率は80%程度です。
CFが困難な時には、時にはラーフも実施しています。

「地域医療のススメ」研修生 さんのコメント...

小林先生、いつもありがとうございます。
 さすがだなと感心のあまり、にやけてしまいました。
 小林先生の力もさることながら、それを一緒に気付き上げている先生の診療所や地域がうらやましく思えます。

 技師さんが指導しない場合は、上級医の先生が指導しているんですね。ただその上級医の先生はどこかで訓練してきたのでしょうか。私の知る上級医で、ルーチンでしている先生はあまり記憶にありません。したことがない、やりたいという先生にとって、そのあたりについてコメントがあれば聞いてみたいと思います(たぶん、診療所創世の歴史を振り返ってくることになるでしょうが)。

 私の所属した病院では、先生の診療所のような研修システムがあったところは少なく、ここ3年間の研修で、大腸内視鏡は100件くらい(自分ですべて行えなかったのを合わせると更に増えますが)したかと思います。心エコーはここ最近、毎日1−2件くらいでしょうか。技師さんと(2週に1度くる)循環器の先生に教わっています。
 他の施設の方はいかがでしょうか。湯沢や揖斐なんかはどうでしょうか。

 研修生の方々、ススメに入る方々、ご意見お待ちしています。

 ※ コロナビ・ラーフが何か教えて頂けると助かります。。。

「地域医療のススメ」研修生 さんのコメント...

S2 小林です。
・コロナビ:http://www11.ocn.ne.jp/~nagashii/upd.html
・ラーフ:注腸造影検査(Barium enema、アインラーフ
補足です。

「地域医療のススメ」研修生 さんのコメント...

指導医の先生:研修医の時に少し触って、あとは理屈を理解して自己学習で実践。
私も基本は自己学習です。機械さえあれば、あとは自分でいくらでも勉強できます。動画のツールも最近は一杯ありますし。
心臓だけでなく、腹部、血管、なんでもやりますが、
細かいupdateに関しては、超音波学会関連に参加し、いろいろ議論して教わってきます。あとは、紹介先の返信状でしょうか。

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