2012年8月25日土曜日

○○先生のお子さん

こんにちは。修了生の佐藤優子です。

地域医療の先輩にこんな話を聞いたことがあります。
『田舎で診療所の医者をやっていると、自分の子供は『○○先生のお子さん』、妻は『○○先生の奥さん』と言われる。特別扱いのようになるのがいやだった。』
この話を聞いていたので、湯沢に異動が決まった2年前私は漠然とした不安を持ちました。
『ママ友ができないのではないか』


湯沢町保健医療センターは湯沢町のほぼ唯一の医療機関です。
町の人は何かあればまずはここにかかることが多いです。

近所の方の主治医にもなります。
ある人はゴミ出しや地区の飲み会で会った時にも私を『先生!』と呼びます。
でも私のことを『奥さん』と呼ぶ人もいます。孫と離れて暮らしているその方は、我が家の長男を孫のように可愛がってくださり、お家に招いてくれたり、一緒に遊びに行ったり。その方は、診察室以外では私を『(近所の◯◯君のお母さんである)奥さん』と呼びます。

長男の保育園の子供達を診察することもあります。
ある日長男のお迎えに行ったら、ある子に『今日ね〜◯◯君のお父さんに注射された!』と言われました。(その日は夫が日本脳炎予防接種の当番でした。)
また診察室で、風邪で来院した子に『◯◯君のお母さんだ!』と言われることもあります。

長男の友達のママ同士、とっても仲良くなった友達(ママ友)もいるし、会えば挨拶をする程度の人もいます。
ママ友から、ついでに病気の相談を受けることもあります。
私も相手のママやパパの職業を知った上で、その分野の相談をすることもあります。


考えてみれば、私も長男の保育園の友達や保護者を『△△ちゃんのお父さんは警察官』と認識することもあれば、『□□ちゃんはケーキ屋さんの子』と認識することもあります。
それと同じこと、今のところ職業が医師だから特別、という感じもありません。

ママ友関係>医師患者関係 になる場合もあれば、ママ友関係<医師患者関係 になる場合もある。
長男が『佐藤先生の子供』と言われることもあれば、『◯◯君のお父さん(お母さん)はお医者さんなんだね。』と言われることもある。

2年と少し湯沢で生活してみて、そんな当たり前のような結論に達しました。

1 コメント:

「地域医療のススメ」研修生 さんのコメント...

ん~深いですね...優子先生.

すがなみ

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