2017年10月16日月曜日

一足早い秋と冬

紅葉シーズン終わり
十勝いけだ地域医療センターで研修中の、ススメS2海永千怜(かいながちさと)です。
先週、北海道の山々は、初冠雪しました。まだ紅葉の彩りが鮮やかな時期ですが、山のほうでは白い雪が重なり、グラデーションがとても幻想的でした。今週いっぱいで北海道は紅葉のシーズンは過ぎ、厳しい冬の季節になります。朝の気温はすでにマイナスです。
大雪山系の初冠雪

十勝地方(十勝という具体的な町はなくて地方の呼び名です)は北海道でも最も面積の大きい支庁で、岐阜県よりちょっと大きい程度、なのだそうです。広大な農業王国であり、食料自給率は1,100%です!!人よりも圧倒的に牛の数が多いです。ちょっと近所のマルシェ(市場のような町のお祭り)に遊びに出かけたり、買い物や習い事、DVDレンタルに行く、子供の塾に行くというだけで、片道30-40kmの距離を車で気兼ねなく出かけてしまうような、スケールが大きいところです。

こちらの人たちの生活は、やはり自分が想像しえないものだと感じた話を、知り合った十勝管内の市町村の社会福祉士さんや訪問看護師さんから伺いました。入院中の高齢の患者さんが「退院したらクルマに乗らなきゃいけないから」と話す「クルマ」が、実はとてつもなく大きなトラクターで、運転するまでに垂直のはしごを何段か上らないといけないので、そのためのリハビリに専念した話。また、毎日外を眺め、テレビの天気予報をひたすら見て「退院日に雨にならないかどうか」の話をし続ける別の患者さんは、一見認知症になったのかと思われそうですが、実は家までの道が舗装されておらずいつもぬかるみで、雨が降ると外に出られないところに家があるので、天気はその日の生活を左右する一大事であったのだという話。地域の現状を知る方々からのお話は刺激になりました。

そして、そういう規模のところなので、たとえば、在宅医療の導入はどうしても敷居が高いのが現状のようです。しかし、地域包括ケアのためにがんばろうとしている地域の方がたくさんいること、病院の外だけでなく院内でも、患者さんが家にいるかのように環境配置やケアを心がけている方がたくさん働いています。

時間は限られていますが、私も研修しながら地域の方に役立てられるように、患者さんへの想像力をつけよう、と思いました。

最後に、小さな町が主催する祭りも規模がでかい!と思ったのがこちらです。池田町のワイン祭りにて提供されていた、、、牛の丸焼きです。美味しかったです。十勝の食べ物は何でも美味しいです。
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1 コメント:

Unknown さんのコメント...

海永先生

湯沢町保健医療センター井上です。

北海道に住むことで、北海道をより深く知ることができているんですね。それぞれの地域にそれぞれの地域特性があって、その環境に合わせることができる、その土地のニーズに合わせた診療を行ったり、その地域全体を診ることができるようになるのが、我々の目指す総合診療医だと思います。
是非どっぷり地域につかって、先生の考えるその地域への働きかけをやってもらうといいと思います。外からきた人の方が、意外に気づくことが多いかもしれないですよ。頑張ってください。

しかし、丸焼きすごいですね・・・。是非一度自分でも体験してみたいです。

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