2012年11月13日火曜日

地域医療研修の3週間目あたりでは


久瀬診療所S3菅波です.
今週は研修生たちの日々を紹介します.

現在診療所には,数名の学生,研修医が研修に来ています.所属や,開始時期はバラバラです.

中でも3週目の医学部生の今日の研修について紹介します.

学生にも研修医にも必ず「担当の方」を持ってもらいます.できれば一日の研修でも担当をしてもらうよう考えます.
学生には特に,一人の方としっかり向き合い,関係を作り,医師として考えることを大事にしてもらいます.
その方の生活の場に身をおくこと,一対一で向き合うこと,その中で一回踏ん張ること,関わっているいろんな人と知り合ってもらう,協力することなども大事にしているような気がします.
また,その中でケースレポートを書いてもらうようにします.

自分は研修医1年目の時,認知症,独居の90代男性を担当しました.
幻覚がみえるという訴えがあり,寒い家で‘お泊り実習’をさせて頂いたことは,自分の医師人生や人生にとってとても大きな体験でした.

今日,3週間目の学生とどんな1日を過ごしたかに話を戻します.

1.朝,今日の予定を皆で確認する
2.担当の方についての調べものをする 自主的に訪問前の準備をしています
4.最中に先輩研修医やスタッフと話したり・相談したりする
5.担当の方の家に一人で行ってもらう (約束をしたうえで)(スタッフや他の学生さんといくこともあり)
6.帰ってきたらどうだったか聞く 
7.他の研修生と昼ご飯を食べる
8.往診に一緒に行く 状況をみながらできることをやってもらう 
9.救急車で搬送することになり,すこしプレゼンの準備を一緒にする
10.     消防への連絡をしてもらう 横でサポートする こっちはその風景を写真に撮る
11.     救急車に同乗する  後方病院ですこしプレゼンする
12.     その後感想をきく
13.     そのケースの経緯と感想をパワーポイント形式でちょっとまとめてもらう
14.     その他振り返りを4分割表で書いてもらう
15.     まとめたケースについて発表してもらう 皆からフィードバックする
16.     皆で振り返りをする.先輩研修医達の振り返りコメントに対して,フィードバックしてもらう.
17. 担当の方の訪問時の出来事について聞く
18. 勉強ネタについてちょっと話す 終了

こんな感じです.学生は3週目あたりになると,急激に伸びます.自主的にいろんなことができるようになってきます.すごいなあと思います.

2012年11月12日月曜日

久瀬診療所での地域医療研修の初日の紹介


久瀬診療所S3菅波です.
診療所では全国各地から多くの研修医,学生(医学生,リハ学生,看護学生,介護学生など)を受け入れています.
今日も新たに2年目研修医が2週間の地域研修にやってきました.
はじめて診療所に来た日に,どんなことをしたり,してもらったりするのか,紹介します.

1.挨拶する
2.自己紹介を書いてもらう 今回の目標を書いてもらう 目標をちら見しておく
3.外来をちょっとみてもらう
4.施設のシステムをちょっとずつ説明する
5.コンサルトを受けながら外来をやってもらう 
6.患者さんに手紙をかいてもらう
7.薬をつくってもらう
8.患者さんの帰宅に付き添ってもらう
9.慢性期外来についてちょっと捕捉する
10.     スタッフを集めて自己紹介をする ニックネームを教えてもらう
11.     訪問診療に一緒に行ってもらう 
12.     訪問に行く時に車の中でしゃべる 景色をみてもらう
13.     訪問診療をすこしみてもらう 感想をいってもらう
14.     訪問診療をやってもらう 横でみながらサポートする 
15.     車の中で感想をいってもらう フィードバックする
16.     一緒に調べ物をする
17.     一緒にグラム染色をする 抗菌薬の選択を話し合う
18.     スタッフや他の研修生とちょいちょい話す
19.     また外来をやってもらう 今の時期はインフルエンザの予防接種など多い
20.     最後に研修生全員で4分割表に基づいて振り返りをする(研修生それぞれが発表し,それぞれがフィードバックを受ける形)
21.     アクセスtoケアとかコンテクストとかバックグラウンドとかそんな話が話題になった
22.     ちょっと勉強した方が良い項目の資料をわたす
23.     明日の予定を確認し終了する

こんな感じです.みなさんの施設ではどうですか?

2012年11月11日日曜日

秋のできごと

久瀬診療所S3菅波です.

全国で秋が深まっていると思います.
久瀬の秋の風景をちょっとだけ紹介します.
これは10月です.


これは今日です.だいたい同じところからとった風景です.天気悪いです.


秋はとてもきれいですが,その後待っている冬を考えるとすこしさみしくも思います.

さて,久瀬に赴任して1年がたちました.なんとなく診療所の1年のサイクルがわかりました.
この秋の出来事をちょっと書いてみます.地域,施設でどんな感じか書いてみます.

<地域・施設>
10月初め 朝晩が一気に寒くなる.これが山の季節.
それに呼応してか,その頃に風邪などの軽傷も含め急病者が増える印象.緊急の対応も増える.
それもあり,施設の利用率があがる.
職員の中でも体調不良者があり,お互いに埋め合わせる必要がある.
それぞれの家庭で冬支度がはじまる.畑仕事が減ってくる.
部屋の中でニット帽をかぶる人がでてくる.皆,ズボンの下に「ズボン下」をはくようになる.
夏野菜から秋野菜・冬野菜に変わってくる.さといも,きのこ類,大根など.
施設,地区毎に運動会がある.文化祭もある.
町民の健診/学校・幼児園の健診がある.
健康講座(認知症,たばこ)などの依頼が多い.
インフルエンザの予防接種がある.
いびがわマラソンの救護係がある.(今日だった.)
OHSUからテイラー先生とアニタ先生がこられた.

ひとまず思いつくのはこんな感じです.

この秋から始めたこととしては...
・予防接種キャッチアッププロジェクト(通称 久瀬のこどもげんきプロジェクト)
・リハビリカンファ
・教育にこれまでより力入れる
   最初の評価,最後の振り返りをけっこうがんばる,途中でリクエストをとる
   フィードバックをちょっと厳しめのも取り入れる
   研修生に勉強ネタの発表をしてもらう機会をつくる  など
・施設職員向けの勉強会(これはしようと思ってなかなかできない)
・ドラゴンカンファ(研修生ドラゴンがいたときに開始されたケースカンファ)

そんな感じです.

2012年11月5日月曜日

『家庭医は定食屋だ!!』

湯沢で研修中のS3鈴木です。湯沢は先日初雪が降りました☆

さて、皆さんは、研修医や見学に来た学生に家庭医(地域医療)をどのように伝えていますか?

それぞれが感じる家庭医があり、様々な捉え方があるのも魅力の一つと思われます。

患者中心の医療、BPSモデル、家族ケア、行動変容、ACCC、ヘルスプロモーションなど、
広範な視点で患者さんと関わっていることに、我々の専門性があると思うのですが、
その仕事内容を一言でイメージとして掴んでもらうのは難しいと思います。


今回は、自分の感じている家庭医について語らせて頂きます。


ずばり!それは…、


「家庭医は定食屋だ!!」




別に変なこと言いだしたわけではないですよ(汗)


私は、よく家庭医を定食屋に例えて説明します。


では、なぜ定食屋なのか?


どんな街にも一つくらいは地域に根付いた定食屋があると思います。

そんな定食屋をイメージしてもらいたいのですが、
そこには地元の人が好む味、料理が多数あり、
地産地消、通いやすい雰囲気があり、
時には出前に行き、時には弁当などの仕出しもする。

メニューになくても食べたいものがあれば、
出来る限り対応する。

地元民の交流の場でもあり、
優しさ、安心に溢れ、
心身共に満腹になれるのもを提供する。

お客さんの顔を見ながら、その人のために料理する。

大衆的だが、家庭的な温かさを持っている。

多かれ少なかれ、私は定食屋にそんなイメージを抱きます。

逆に言えば、地元民の口に合うように、
常に配慮し、変化しなければ、
定食屋としては続けられません。


しかし、専門料理店はその必要がありません。
ある程度の料理を提供していれば、お客さんはそれを求め、
少し遠くても足を運びます。

人の流れがある場所であれば、
同じ料理を提供していても、
他の場所でもやっていけます。


でも、定食屋が全く同じメニューで違う土地で営業したら、
多くが続かないと思います。

その土地の食材を活かし、地元民向けの味に変えていく必要があるでしょう。

人の流れが少ない場所ほど、
その地元の人にあった料理を提供していかなければ、
定食屋は潰れてしまうでしょう。



ここまで読んで如何でしょうか?

何となく地域医療と似ているなと思いませんか?

「家庭医は定食屋だ!」と言われても違和感がなくなったのではないでしょうか?

これまで何人かにこの話をしましたが、
妙に納得してくれる人もいれば、最後までしっくりこない人もいました。

『大戸屋』とかどうなんだ!?って言われても困りますし…。

あくまで私の感じる家庭医です。

皆さんの家庭医観もあったら是非教えて下さいね。

今日も心身ともに“まんぷく”になってもらえる医療を考えつつ、
夜ごはん何食べようかな~とお腹の虫とも向き合わなきゃならない、
そんな毎日です。。。


長文、お読みいただいた方、ありがとうございました☆

安いけど美味しく心温まる定食屋が大好きな鈴木でした☆

(前回、投稿すっ飛ばしてしません 汗)

2012年11月4日日曜日

ライフサイクル

S1片岡です.
投稿が遅れてしまいすみません.

今年の夏は,ススメのみなさんや東京北の先生方で
お子さんが生まれた方がたくさんいらっしゃいましたね.
私も7月に長男が生まれ,首が座ったり,生まれたころに着ていた服が小さくなったりと
日々成長を実感しています.

子供が生まれて間もない頃はあまり実感がなかったのですが,
家族でお宮参りに行ったり,自分の両親が「おじいちゃんおばあちゃん」と呼ばれたりすると,
ライフサイクルが一段階回転したのかなと最近感じるようになりました.

日々の診療でも,小さいお子さんを連れている患者さんがいると,
「大変ですよね」と共感できることが少しずつ増えてきました.

自分自身も悩みながら,「親の視点」を少しずつ身につけられるようにしたいなと
感じます.

2012年11月1日木曜日

西伊豆病院

 10月1日から26日まで、4週間にわたり地域医療振興協会を離れて西伊豆病院というところで研修をしてきました。主な目的は院長の仲田和正先生について整形外科を学ぶというものだったのですが、そのほかにも多くのことを学ぶことができましたので報告をします。
①整形外科分野の研修
  研修は朝6時15分から始まる病棟回診、午前中の外来診療、午後の手術・処置という流れでした。外来診療では膝、肩、腰といった訴えの多い症候の問診や診察方法、膝、肩の関節注射、骨折、捻挫といった頻度の高い外傷の診断から固定処置を経験しました。診察中および空き時間を利用して適宜講義をしていただき、たいへん有用でした。今回の研修で特に印象的だったことはエコーを利用した診断を行っているということでした。エコーの活用は診療所での診断に必ずや有用であり、今後ぜひ取り入れていきたいと思いました。
②手術研修
  整形外科分野では大腿骨頚部骨折や転子部骨折、手根管症候群を経験しました。手根管症候群は実際に執刀を経験させていただき、解剖学的構造も含めて理解を深めることができました。また整形外科以外の手術についても外科の木島先生に声をかけていただき参加しました。虫垂炎、腹腔鏡下胆嚢摘出術、大腸癌右半結腸切除、慢性硬膜下血腫穿頭血腫除去術などを経験しました。今後は診療所勤や内科での勤務が中心となうことから貴重な経験ができたと思います。
③勉強会
      週に4回早朝勉強会が開かれます。水・木曜日は札幌医大のプライマリケアカンファ、木曜日は仲田院長のレントゲンカンファ、金・土曜日はスタッフもしくは研修医の先生からの発表でした。各勉強会ともテーマがしっかり設定されており新しい知識や曖昧になっていた知識の整理にとても有効でした。最近勉強を怠り気味であった自分にとっては刺激的で勉強やる気スイッチが入ったような気がしました。
④当直研修
     西伊豆病院のある地区は西伊豆町、松崎町、伊豆市の一部がある伊豆半島西部唯一の救急対応病院であり救急要請はすべて対応を原則としています。高度の医療対応が必要な場合には日中であればヘリを要請することができますが、夜間の場合には約1~2時間の峠越え救急搬送となります。その中での当直を2回経験しましたが、これまで経験したことのない緊張感でした。このような環境の中で地域医療を支えている常勤の先生たちの責任感に強く刺激されました。
⑤その他
    そのほかにも研修中は町の予防接種、巡回診療、診療所研修など様々な経験をしました。研修外でも交流会を開いていただき貴重なお話も伺いました。休日には堂ヶ島、松崎、下田、南伊豆と風光明媚な景色や海幸を満喫しました。短期間ではありましたがとても有意義な研修になったと思います。仲田先生はじめ諸先生方、スタッフの皆様には心から感謝です。そして、興味のある方はぜひ西伊豆での研修をお勧めします!


    
 

2012年10月15日月曜日

青い森に囲まれて



 青森県下北郡の東通村診療所で研修している佐々木航です。東通村は下北半島の北東の端にあります。今年7月に東京都北区の東京北社会保険病院から移動しました。

 どこまでも続く森の道、かと思えば田園風景、点在する集落、信号が村に一つしかない、満月の夜には空が明るい。7月に初めて東通村に来たときは、おとぎ話!? 絵本の中!? RPG!? 驚きの連続だった毎日も、はや3ヶ月経過し、だいぶ慣れてきました。豊かな自然を見ても感動しなくなりました。車で20分ほど走ればむつ市街に出てなかなか便利です。あれ? そういえば下北のイントネーションになっている?

 人や生活などでも新しい発見がたくさんありました。何より、住民がとても優しく、私達を信頼してくれます。一方で疑問を持たず信頼してくださるので、責任重大です。お互い顔見知りの住民が多く、集落全体で一つの家族、といった集落も中にはあります。
今年の夏は例年より8℃も高かったそうです。厳しい冬に耐えるためにほとんどすべての家にストーブがありますがクーラーはほとんどなく、扇風機すらない家もありました。高齢者の家庭では、体調が悪くなるととりあえずストーブをつけて布団にくるまる、というところも少なくなく、今年は特に熱中症が多かったようです。

 新しい地域に行くと人も生活も自然も発見が多く、医学的な発見よりも刺激的に感じます。あと6ヶ月、どのような発見が待っているのでしょうか。とりあえず、スタッドレスタイヤを用意しておこうかな。


 医師住宅から診療所へ続く通路です。毎朝森林浴しながら診療所へ行きます。トトロに会えそうな気がします。