2015年12月31日木曜日

肉食系家庭医のススメ

プライマリーケア学会 若手医師セミナー WS 『メンター』 実況中継


本日2月21日、東京大学でプライマリーケア学会 若手医師セミナーが開催されています。
去年は、私は一受講者でしたが、今年は、セミナーWSを提供する講師として参加させていだくことになりました。
講師陣:太田浩先生(川崎市立多摩病院)、廣田俊夫先生(関市国民健康保険津保川診療所)、西村正大先生(市立奈良病院)、三浦太郎先生(富山大学医学部プライマリ・ケア講座)、中山由梨(東京ベイ浦安市川医療センター総合内科)

★『メンター』WSを開催するにあたっての動機
地域医療のすすめの先生たちの特徴として、仲間を大事にするというマインドが根付いていると思います。
私にとって、『すすめ』の先生たちとの関係は、指導医と後輩医という関係よりも、生活・人生も含め、人生としてのサポーター・先輩という感覚でいます。
それもあって、『メンター』という制度をより大事にしているすすめファミリーとして、
今回『メンター』のWSを出させていただくこととなりました!

このWSを開催するまでに、
講師陣の先生たちで何度もTV会議を開き、内容を練り直してきました。
(私はあまり参加できませんでしたが・・・すみません)
太田先生との会議では、私の意見も、WS受講者と同世代とのことで、積極的に取り入れてくださりました。まず、受け入れてくださるというスタンス、そしてそれを上手に活用してくださった点、後輩としてとても心地よかったです。

そうやってみんなであたためて作ったWS。
ただいま、開催中です!!

本日の暖かな気候と同様に、あたたかく和やかな雰囲気で進んでいます(@^^@)
みなさんのグループワーク、盛り上がっています!


また、終了後に、報告・振り返り・つぶやきブログを更新しますね。
乞うご期待!わらい



2015年12月13日日曜日

家庭医

はじめまして。10月から新加入させていただいた坂上と申します。
今までは東京北医療センターの総合診療科後期研修プログラムに所属していましたが、地域医療のススメの研修も並行して行うことといたしました。

こうして研修が始まってみると、「家庭医」というのが自分が思っていたよりも、はるかに全人的に患者を診ているのかというのがわかります。ポートフォリオの題材だったりV-Cubeでのみなさんの討論だったり、患者さんの生活を重視して具体的にそこに働きかけていくというのは家庭医ならではの視点だなと思います。

私は7-9月の3か月間北海道の十勝いけだ地域医療センターで地域研修をしてきました。人口8千人の地域の中核病院でした。そちらでは、医療者が患者さんの家族構成を把握していて、「この方は●●さんの家族だから、こういう風に退院計画を立てよう」など家族の生活スタイルを考えながら実現可能な計画をたてていくというのが印象的でした。この研修が家庭医に興味を持つきっかけのひとつとなりました。

東京北医療センターでも退院時に介入が必要な人は医師・看護師・薬剤師だけでなく、リハスタッフ・MSWと患者・患者家族・ケアマネ・介護サービススタッフとかなり大人数でおおがかりな退院調整カンファを行っています。自身の知識が深まることで今後の退院カンファにも生かせることがあるかもしれません。



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2015年12月3日木曜日

テイラー先生のクリニカルパール2 発売になります!

プログラム責任者の井上です。

今年の5月に、ススメの修了生の皆さんが中心になって翻訳された「テイラー先生のクリニカルパール」に続いて、「テイラー先生のクリニカルパール2 医師ならば知っておくべき意外な事実」が発売になりました。

今回は、佐賀大学名誉教授の小泉俊三先生と宮崎大学医学部地域医療・総合診療医学講座教授の吉村学先生の監訳で、「地域医療のススメ」の修了生、指導医でオレゴン健康科学大学医学部名誉教授のRobert B. Taylor先生の著作を翻訳させていただきました。
私は巻末の用語集というところをちょびっと訳しただけなのでお恥ずかしい限りです。私もこれから読み始めるのですが、皆様も是非手にとっていただければと思います。


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サイトビジット:東京ベイ浦安市川医療センター

プログラム責任者の井上です。

最近私のサイトビジット報告ばかりで申し訳ありません。

先月25日に東京ベイのICUで研修している山田先生と内科研修中の中山先生のサイトビジットに出かけてきました。今回は時間が取れたので朝一番からお邪魔して、日中の勤務を見せてもらうという感じでお邪魔させていただきました。

朝8時に東京ベイにお邪魔して、ICUの朝のラウンドに参加させていただきました。心臓血管外科、外科、整形外科の術後の患者さんや内科の患者さんが、ICUとHCUにぎっしりおられ、その中でICUのスタッフである則末先生にご案内していただきながらレジデントの先生方のプレゼンを聞かせてもらいました。私の普段の日常とは異なる超急性期の現場を見るのは本当に久しぶりで、非常に個人的にも勉強になりました。
スタッフの先生たちが非常に指導的にラウンド中も色々と質問をされたりするのが素晴らしいなと思いました。
山田先生のプレゼンも要点をまとめてしっかりプレゼンされていて、勉強してレベルが上がっているんだなあと感じました。
ICUのシステムを聞くとスタッフの方の忙しさがよくわかりましたし、その忙しさの中でレジデントに指導されているスタッフの方の素晴らしさがよくわかりました。また患者さんのそICUの時だけでなく、ICU後も考えて治療にあたっておられるところも勉強になるところではないかと思いました。

その後中山先生の外来を一時間半ほど見学させてもらいました。後ろから見られていてきっとやりづらかったことと思います。すみませんでした。
中山先生の患者さんへの対応、説明は非常に丁寧で、患者さんの満足度も非常に高いだろうと思いまいた。また都会の大病院の外来と、普段の自分の外来に来られる患者さんの受信理由やニーズの違いを感じることもでき、レジデントの先生が外来の研修をするときにどんなセッティングを経験したことがあるかということも大事だなと感じました。

今回の東京ベイのサイトビジットのようにできるだけ時間を作って、普段の勤務を見せてもらうのも、研修先施設を肌で感じることができるのでいいなと感じました。
ただ時間を作るのが、正直なかなか難しいのでまた工夫してみたいと思っています。


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2015年11月17日火曜日

プライマリ・ケア連合学会 秋季セミナーに参加してきました!パート1

プライマリ・ケア連合学会 秋季セミナーに参加してきました!


2015.11.12 すすめブログ 投稿

プライマリ・ケア連合学会 秋季セミナーに参加してきました!

東京ベイGIMコラボレーションススメ家庭医の中山由梨です。
1189日は大阪で行なわれたプライマリ・ケア連合学会の秋季生涯教育セミナーに参加してきました。
このセミナーは自分にとって、新たな友好関係や気づきが多く、すごく貴重な経験となりました。

セミナー内容について、共有いたします。
セッション1:総合診療9の謎 飯塚病院の清田先生のご講演に参加しました。
印象に残った項目について、私の意見も交えながら、まとめます。
  Osler3原則:①患者はどのような問題でやってきているのか?②それに対して何ができるのか?処方は本当に答えか?③そうした場合に、患者のこれからの人生はどうなるのか?
→患者さんの診療に求めるゴールは何か?という心の本音を描出してあげることが大事だと思いました。処方がほしいのではなく、心配な気持ちをただただ聴いてほしい、やアドバイスがほしいだけなど、患者さんの求める内容は個々に違うことがあります。求めているものを敏感にキャッチできると心の通ったコミュニケーションができるのだろうと感じます。

  偽性高K血症
→この原因には、検体を長期放置、採血針が細く溶血、などの理由は知られていますが、「採血時に拳を握る機械的圧力によってKが漏出する」こともあります。「採血時には駆血帯を巻いたあとは拳をリラックスして開いたままにしていてもらう」といった採血時の注意点をナースさんにもお伝えすることが大事です。

  65歳以上の貧血欠乏性貧血(特にHbg/dl以下)において、10人に1人は消化器悪性腫瘍である。
→検診(例えば便潜血陽性)でがんが見つかる頻度は1000人に数名であるが、高齢者で鉄欠乏性貧血を伴っている場合は上記。高齢者、男性、貧血は消化器悪性腫瘍の有意なリスクファクター(Eur Gastroenterol Hepatol;2005 Nov;17):積極的に内視鏡精査を!
  BPSDbehavioral and psychological symptoms of dementia行動心理学的症状)の初期マネジメントについて
→①Beers criteria:薬剤や身体的な不調が原因であるならまず除外
 ②Lewy小体型認知症がベースにないかどうか確認
*Beers criteria : American Geriatrics Society
American Geriatrics Society 2015 Updated Beers Criteria for Potentially Inappropriate Medication Use in Older Adults

高齢者の薬の処方の注意点や相互作用、不適切や不必要な処方になっていないか。
例えば、高齢者に抗コリン薬や抗精神病薬、ベンゾジアゼピンは使用を控えるべきとの記載。
抗コリン薬は認知機能低下のリスクあり、抗精神病薬やベンゾは転倒ふらつきのリスクになるため。

  OCD (obsessive-compulsive disorder)強迫性障害は、診断できていないだけで、意外に多く存在している。
→強迫性障害は、DSM-4では不安障害の分類であったが、DSM-5で「強迫と関連疾患」という新分類に移行。
不安や恐怖以外の感情をもつ人も少なくないため、不安障害のカテゴリーから外れ、新たに分類された。
症状としては:神経分布に一致しない痛みや感覚異常、慢性腰痛症、他覚的異常がないめまい(恐怖性姿勢めまい)など


日常診療で疑問に思っていつつも、何気なくスルーしてしまっていた内容についてevidenceを交えながら、ご講演くださいました。
日常診療の謎を解くキーポイントを学べた気がします!早速、臨床で活かし、後輩へのteaching時にも活用させていただいています。

「総合診療999の謎」購入しました!

付随する写真は、前タームのチームメンバーです。飯塚病院からベイに転勤された宮崎先生がアテンディングとしてサポートくださり、チームを運営しています。日々めまぐるしく忙しいですが、充実して過ごしています〜〜(*^^*)


セッション2についても記載予定です!乞うご期待!!


2015年11月13日金曜日

サイトビジット:六ヶ所村地域家庭医療センター

プログラム責任者の井上です。
9日に六ヶ所村地域家庭医療センターにサイトビジットに行ってきました。
S2の井上博人先生(10月5日にこのブログに研修について書き込んでいただいています)が現在研修中です。

六ヶ所村は下北半島の付け根のあたりです。今回私は八戸からレンタカーを借りて行くことにしました。なぜか私が下北半島に来ると天気が悪いんです。昨年来た時は、雪が降って大変でした。
今回も残念ながら雨・・・。
八戸からは一時間20分ほどで到着しました。

昨年新しい施設になったばかりの2階建の有床診療所で、老健ニッコウキスゲが併設しています。
電子カルテシステムは協会標準電子カルテで、湯沢町保健医療センターのものと同じです。よその施設でも同じ電子カルテだとすぐに診療に入れるな〜と思いました。
六ヶ所では、診療が終わってからレントゲンや心電図などの画像読影を研修医、スタッフで読影をします。非常に詳しく読影がされていて、毎回ご一緒させていただくと自分の知識のなさが恥ずかしくなるほどです。ここで研修された研修医の皆さんは相当レベルアップするなあと指導医の松岡先生と船越先生の指導に頭が下がります。
訪問診療や産業医活動(六ヶ所村には原子力関連の企業があります)、保健活動との協力などもあり、総合診療医の研修にはもってこいのところだと思います。
海の幸、そして特産の長芋から作られる「六趣」という大変美味しい焼酎などもあり、研修外も充実しています。
同じ下北半島の東通村診療所の研修医宿舎も非常に素晴らしいですが、六ヶ所の施設も負けないぐらい素晴らしいと思います。

興味のある方は是非一度見学に行かれると良いと思います。
次に行く時は晴れた日に行けますように・・・。





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2015年11月8日日曜日

サイトビジットではないですが・・・・・

プログラム責任者の井上です。

 ここのところサイトビジットに出かけることが多い(実は明日六ヶ所村に行きます)のですが、今まで行ってないところはどこかな・・・と考えておりました。
専攻医がいるのに、サイトビジットに現段階でいく可能性が全くない施設を思いつきましたので、本日はその施設の紹介をさせていただきます。

 その施設とは、自分の勤めている湯沢町保健医療センターです。
  湯沢町保健医療センターは新潟県の南の端っこ、群馬県との境にある湯沢町にあります。秋田県にも湯沢市というところがありますが、そこではありません。
 東京から上越新幹線で約90分。スキーと温泉で有名な山間の小さな町です。今は紅葉が終わろうとしております。山の上の方は白くなったという話があり、もうすぐ雪の季節が始まります。

 病院は上越新幹線越後湯沢駅から徒歩8分。新幹線の 駅からこんなに近い医療機関は早々無いと思います。駅では毎年行われる菊花展が行われています。町民の方で菊を作っておられる方達の展示がされています。私の外来に来られている患者さんの菊もありました。

 一般病床40床、療養病床50床の小さな病院です。 観光地にあるために救急患者も多く、一次から心肺停止患者さんまで運ばれてきます。訪問診療、訪問看護、訪問リハビリも行っており、病院の隣にある総合福祉センター内の社会福祉協議会のケアマネさんや湯沢町健康福祉課の保健師さん達と連携をとりながら日々の業務を行っています。

 現在専攻医はシニア1年目の葉田先生が研修中です。初期研修医や医学生もきます。昨年までチーフレジデントをしていた高橋先生のおられるゆきあかり診療所(車で12分と近いです)とも協力しながら、日々にぎやかにやっています。
 秋は新米の美味しい季節ですし、もうすぐすると新米で作られた日本酒も出てきます。新潟県の美味しい日本酒、温泉、スキーを楽しみながら研修をしてみたい人は是非お越しください。お待ちしております。


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