2013年5月1日水曜日

在宅医療にとびこんで1ヶ月・・

地域医療のススメ 修了生の井口真紀子です。みなさまお久しぶりです。

現在私はJADECOMをはなれ、東京都北区の梶原診療所という在宅医療を中心にしている診療所で在宅フェローシップ研修をはじめて、1ヶ月が経過したところです。

東京北社会保険病院とは少し離れますが時々患者さんの紹介などもあるようです。
北区は高齢者の7割が老老介護か独居という状況のようで、高齢化が今ピークを迎えているところ。
東京北社会保険病院の横にある桐ヶ丘団地などは日本最古の団地らしいのですが
高齢化率5割超えているのではという話です。びっくりですね。
梶原診療所のある滝野川地域は入院施設のあるベッドが少なく在宅で頑張る必要があり、毎日のように新規の患者さんが紹介されてきます。困難事例も多いです・・。
認知症や非がん疾患の看取り、都市部では見えにくいコミュニティ作りなど、最初の2週間はレクチャー三昧でこの1ヶ月は新しく知る事だらけでした。

研修スケジュールは月曜日は湯沢に診療に通い、その他の日は訪問診療5コマ、外来3コマ、高齢者ケア外来(認知症外来のようなもの)0.5コマといった感じです。
ススメの研修であらゆる問題に対処する、ことを学んできていたのでスムーズに業務には入れています。

印象に残ったこととしてはALSの患者さんとのかかわりでしょうか。
ALSの人工呼吸器在宅療養の患者さんは初めて担当するのでいろいろな本を読んだりしながら関わっていますが、「ただ存在する意味」というのはもしかして思っていたよりも大きいのかも、と改めて感じています。

湯沢にいた頃、見学にきた医学生さんに
胃瘻寝たきり重度認知症の患者さんの生きている意味がわからない、といわれて、
「なにもしないで存在する、ということに意味があるんじゃないかな」と返答したことがあるのですが、
家族に現実的な負担を多少なりともかけてすら、存在する意味というのを肌で感じて、自分の言葉の意味を自分自身がわかってなかったなと感じさせられて・・
なんだか死生観が揺らいだ1ヶ月でした。

高齢者の終末期には積極的な延命治療はしない方向で関わる事が多かったのですが、こうやっていろいろ揺らいで考えることで結果としてとる選択が同じだったとしても
もう少し深みのある選択ができるのかな、というふうに思います。

認知症、嚥下、非がんの看取りなど、今まで経験値でやってきたことが理論化されたり新たな学びもあり電車通勤にもようやく慣れて、1ヶ月おなかいっぱいという感じです。
また学んだことを機会があればススメにもシェアしていきたいと思いますし、興味のある方は見学も是非。
では皆様ゴールデンウィークたのしんでくださいね!

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