2020年6月26日金曜日

WEBで研修体感企画「研修医日記」(月間地域医学2018年11月号より)


















東京北医療センター「地域医療のススメ」後期研修医1年目の近藤真未です. 私は4月から6月まで小児科研修を終えた後,現在は同病院の 総合診療科で研修4ヵ月目を迎えています.初期研修から勤めている病院であり,システムやスタッフも慣れた環境での後期研修 は比較的スムーズにスタートできたと感じております. 当院は東京都北区赤羽,埼玉県との県境に位置します.赤羽には駅前に一番街という昔ながらの飲み屋が立ち並んでいる通りがあり,最近はメディアにも取り上げられることも多く,住みたい街ランキングの上位にも挙がるようになりました.業務が終わってから飲みに行く場所には困らず,スタッフや医師同士の良好な関係を築く手助けになっていると感じています.私は赤羽に住んで まだ3年程度ですが,23区でありながら故郷や実家に帰って来た時のような懐かしい雰囲気を持つ不思議な街であり,東京駅や池袋・新宿にもアクセスの良い環境で,住みたい街ランキングで上位に挙がるのも納得です.一方で,当院を受診する患者さんの特徴としてはアルコール依存症の患者さんやご高齢・独居・身寄りのない患者さんが多く,退院調節や外来での生活指導に日々奮闘しています. 当院は複数の診療科が存在していますが,総合診療科があることで複数の病気を抱えている高齢患者さんなどの管理を総合的に行うことができ,かつ他科との垣根も低いため状況に応じてすぐに専門的加療について相談ができるため,老年人口比率24.6%と高齢化が進んでいる北区には適した体制であると考えます.総合診療科研修の特徴としては週1回の抄読会と週1回のシニアコアレクチャーがあります.抄読会では日々の診療で生じた疑問から論文を選び,批判的吟味を行います.論文の結果を鵜呑みにするのではなく,論文の条件などを細かく見ることで結果をどのようにとらえるべきかを知り,目の前の者さんが何を求めているのかを考えて医療を行う練習をしています.また,シニアコアレクチャーでは外来で診療する慢性期の患者さんの疾患のマネジメントをどのように行うべきか等,日ごろの疑問を解決する場となっており,非常に充実した教育であると感じています.
同期と赤羽の居酒屋にて
私自身としては,総合診療科で3月まで診療を行った後は,地域の診療所で1年間を通して地域医療・家庭医療を学ぶ予定です.地域でも当院で学んだエビデンスに基づいた医療を行えるように,あと数ヵ月間これらの勉強会を十分に活用して頑張ります.その後の大きな目標としては,診療所勤務の家庭医を目指しています.そして,病気の治療だけでなく,ヘルスプロモーションを進めていきたいとも考えています.現在の総合診療科コースは新プログラムが始まったばかりで,未定の部分も多く前例のない不安定なコースであると感じています.しかし,当院では最終的な目 標は違えど同じような志を持った 同期や先輩方に囲まれて研修を進めることができる,恵まれた環境であると感じています.まだまだ,目標までは程遠く,先は長いですが目の前の課題一つ一つを解決しながら少しずつ目標に届くように日々精進してまいりたいと思います.これから研修先でお世話になることもあるかと思いますが,ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします.
東京北医療センター総合診療科


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