2020年6月30日火曜日

WEBで研修体感企画「研修医日記」(月間地域医学2019年1月号より)




今年度より「地域医療のススメ」所属となりました,専攻医1年 目の畠中と申します. 今年度は4月から10月まで東京北医療センター(以下,東京北) の総合診療科で研修をし,10月から3ヵ月は小児科研修をして,1 月からはまた総合診療科に戻る予定です. 最初は初期研修との違いや新しい環境・人間関係に慣れることに必死だったのですが,現在は小児科研修中で再び初期研修医に戻ったような気分で日々の業務に邁進しおります.
 総合診療科での研修は,週1,2回の外来と病棟業務,東京北の売りである「EBM」に沿った抄読会,日々の各種カンファレンスがルーチンワークで,時々セミナーなどのイベントが入ってくるという日々です. これまでやってきていない外来や,経験のない症例がどんどん押し寄せ,当初は入院患者の振り分けでも怖気づいていました.しかし,基本的にチームごとに動くシステムがあり,全て先輩やス タッフがバックアップしてくれるようになっているため,初期研修医の先生方も主治医として活躍しています. 一方で,私が研修している東京北は比較的都心に近く,正直なところ,いわゆる「地域医療」という感覚はありません.へき地を含めた地方で,医師数も少なく,なんでも診なくてはいけない……そういったところではないからです.以前,面接試験で「あなたにとって地域医療とはなんですか?」と聞かれたことがありますが,そのときあまり答えられなかったことを覚えています.後に,その地域の医療においてどのステージをイメージしているかを聞きたかったということを教えていただきました.


当院のような都心に近い急性期の病院では,いわゆる地域感はないと思いますが,基幹病院として慢性期へとつなぐ急性期医療や,情報を発信していく側,また総合診療を広めていく役割があり,それを学ぶ場なのかなと考えています. そうした取り組みとして,夏には医学部の学生向けにEBM体験セミナーを行 い,私もスタッフとして参加しました. 病院総合医側,家庭医側に分かれて症例を検討し,治療について合議して結論を出すというもので,主旨としては立場の違いや持っている情報の違いで大きく視点や意見が変わってしまうこと,その中で結論を導き出さなくてはならない難しさを体験してもらうというものでした.運営は学生が行っていて,学生時代に そういった活動はしてこなかった私はその手際や積極性に感心し,また参加者の学生とは思 えない洞察力にも非常に驚かされました.議論も白熱して大きな盛り上がりを見せることができ,その後のスタッフの振り返りも自然と熱が入りました.確実に総合診療に関心がある世代が育ってきていることを感じ,われわれ専攻医にとっても研修とは日々の診療だけをしていれば良いものでないことを実感できる日となったと感じました.われわれ総合診療医は他の科と異なる能力・適正・業務を求められる領域と自覚し,今後も精進してまいりたいと気を引き締めております.
今後ですが,来年はプログラム外で研修する予定です.関連病院ではあるのですが,立ち上げとなる病院で勉強してきます. このことが決まるまでにはいろいろな 先生方が気にかけてくださり,相談に乗ってくださいました.この場を借りてお礼申し上げます.「ススメ」は私のような末席のものにも手厚いサポートがある研修プログラムです.私も後輩たちにそうあれるよう頑張りますので,今後とも皆さまよろしくお願い致します


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