2015年7月5日日曜日

OHSUの先生方が来られました

プログラム責任者の井上です。長文ですが、おつきあいください。

我々地域医療振興協会(JADECOM)とオレゴン健康科学大学(OHSU)の家庭医療学教室は長年交流をしています。
「地域医療のススメ」のレジデントも1〜3ヶ月のOHSU研修でお世話になっています。研修に行ったレジデントは、皆何かを掴んで、一回り大きくなって返ってくるように思います。
私自身4年ほど前に3日ほどOHSUの家庭医療学教室を訪問させていただき、主任教授のSaultz先生(すごくカッコいい先生です)のお話を伺ったり、アメリカの医学生の授業を一緒に聞かせてもらったり(英語の苦手な私でもわかりやすかった)、アメリカのクリニックを見せて頂いたり、スタッフのお家でバーベキューを頂いたりさせていただきました。

毎年OHSUからは6月のJADECOM主催の総合診療フォーラムや9月のJADECOMエクスターンシップに合わせて来日されるのですが、今年も6月27〜28日の第3回総合診療フォーラムに合わせて、Steve Wahls准教授とBen Cox財務管理者のお二人が来日されました。Benさんは9回目の来日で、Steve先生は初来日でした。

私自身は正直英語は話すのも、聞くのも苦手なので、例年はちょろっとご挨拶する程度なのです。しかし今回は日程の関係もあり、なんと総合診療フォーラム後に2日間湯沢町に来られて日本の医療機関と日本の田舎を視察されるということもあり、フォーラムの時から出来うる限り接触してお話をするようにしてみました。
フォーラムではSteve先生が、オレゴンの僻地での家庭医療の教育について講演されました。オレゴン州自体が広大な田舎をもつ州であり、その田舎の診療所や小病院を使って家庭医療のトレーニングが行われているという、まさにJADECOMがススメで行っている研修と同じような研修でした。私自身は州都ポートランドにあるOHSUを訪ねただけなので、もし機会があったらオレゴンの田舎の病院を是非訪れて、研修の実際をみてみたいと思いました。

さて総合診療フォーラムの終わった翌日29日にお二人はJADECOM本部の福崎さんと久保さんと一緒に上越新幹線で湯沢にこられました。
まずは湯沢町保健医療センターをみていただきました。

医局や診察室、外来、病棟などをみていただきました。私の英語力で電子カルテを説明したりするのは相当難しかったのですが、何とかご理解いただけたようです。
そのあとスキー場の中にあるピザ屋さんで昼食。当日は非常に天気がよく、お二人とも眺めのよいスキー場での昼食を満喫されていました。
今回の来日では、なかなか観光にいく機会がとれないとのことだったので、南魚沼にある曹洞宗の禅寺である雲洞庵(うんとうあん)にお連れしてみました。6年前の大河ドラマ「天地人」で幼少期の主人公直江兼続と上杉景勝が修行をしたお寺ということで一躍有名になったお寺ですが、平日であったこともあり空いていました。読経を聞いて頂いたり、スギ木立ちのなかの静かな禅寺の雰囲気を楽しんでいただけたと思います。
そのあと今泉記念館ゆきあかり診療所を訪問し、日本のクリニックをみていただきました。高橋先生の診療をみたあと、日本とアメリカの医療制度の違いについていろいろと教えていただきました。やはりコストや医療保険制度の違いが大きいということを改めて感じました。
夜の懇親会は、町内の日本酒Bar「山新」で、研修にきている東京北医療センターの震明先生、新潟大学医学部5年生の鈴木君、福島君、新潟大学の井口教授も加わって、楽しいひと時を過ごしました。

翌30日は、朝から湯沢町で行われているアクション農園倶楽部(http://ameblo.jp/yuzawaanc/)の活動をみていただきました。アクション農園倶楽部は湯沢町で行われている保健師さん、ケアマネさん、認知症の患者さんや地域の人が一緒に週に一度畑でいろいろな農作業を行っている活動です。湯沢町保健医療センターに実習にくる医学生や研修医は一度は参加してもらうことにしています。
とれたてのイチゴ(すごく甘い!)やけんちん汁をご馳走になりました。私自身も実は写真でみるか、研修医や学生さんから聞いたことしかなかったので、実際の雰囲気や参加者の活動をみることができたこと、また自分の患者さんともあうことができたのがうれしかったです。
続いて、私の外来患者さんのお宅を訪問したあと、お二人が朝から楽しみにしておられた湯沢高原に向かいました。泊まられた湯沢グランドホテルに貼ってあったポスターのジップラインアドベンチャーというアトラクションを是非やってみたい!とのことで、昼食の予定を返上して向かいました。私自身も湯沢高原に行くのは3回目でしたし、そんなアトラクションがあるのも知らなかったので、気軽に出かけたのですが、重装備で森のなかにあるワイヤーを滑り降りるというなかなかエキサイティングなアトラクションでした。お二人は非常にノリノリで楽しまれました。



こんな感じのちょっと医療以外の部分も見ていただいた今回の湯沢町の視察だったのですが、東京に戻られてからのJADECOMの送別会では、お二人は撮られた動画をみて喜んでおられたそうです。私の英語に対する苦手意識もちょっと改善したように思います。

来年の浅草でのプライマリ・ケア連合学会にきっとOHSUからおいでになられると思います。私自身もまた交流を楽しみたいと思いますし、ススメのレジデントの方々にもいい交流になるといいなと思います。

ススメのレジデントの皆さんには、機会をみつけてOHSUの短期留学に行って、海外の家庭医療・地域医療をみることで、日本の家庭医療・総合診療・地域医療を振り返り、成長してもらえるといいなと思います。


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